ロジャーズ・カップも佳境を迎え、準決勝が行われました。第1試合ではジョコビッチがシャーディにストレート勝利。ナンバー1の貫録を見せています。そのジョコビッチとの決勝での対戦をかけて、錦織とマレーが対戦しました。                                            錦織は今季のマドリードOPの準決勝で、マレーに敗れているだけに、勢いがあり、好調の中でのぞむこの試合は、勝利したいところでした。 しかし、残念ながら…                                             第1セット 6-3 第2セット 6-0 エース数 錦織:0 マレー:8 ウィナー数 錦織:16 マレー:25                                            …という結果になりました。シティ・オープンで優勝し、良い流れで、準決勝まできていた錦織でしたが、マレーの壁は高かったようです。                                             この試合では、準々決勝まで良かったサーブが良くありませんでした。1stサーブが入らず、2ndサーブではマレーがだいぶ前にきて、鋭いリターンをたびたび見せました。この試合の錦織の2ndサーブのポイント獲得率は、20%となっています。このマレーのプレッシャーを受けて、1stサーブの調子も悪くなってしまいました。 ただ、第1セットはマレーにブレークを許して先行される厳しい展開も、錦織も2度のブレークバックをして、粘りを見せました。錦織もマレーの2ndサーブを狙って、良いリターンをしばしば返していました。 それでも、ロングラリーではマレーが優位で、緩急をつけたり、持ち前の広いコートカバーリング力など、力の差を見せつけた感じの結果となりました。                                           第2セットになると錦織の動きが明らかに悪くなり、6連続でゲームを取られて負けてしまいました。 この第2セットは人によって見方が変わり、錦織のメンタルが落ちたためという意見もありますが、どうなのでしょうか。 今シーズン、ここまで明らかに落ちてしまう錦織は見たことがありません。 足、あるいは腰など、身体に何らかの問題が起きて、足が動かなくなった可能性もあります。どちらにしろ、以降の情報が待たれますが、今後に不安が残る試合となってしまいました。                                            しかし、シティ・オープンで優勝して、ロジャーズ・カープではサーブ、リターンのレベルアップを感じさせる試合が多く、ナダルにも初勝利と、実り多い大会でもあったと思います。そして、このマレー戦では、頂点争いはさらに険しいものであることも、示されました。 色々なものを得た大会を終えた錦織ですが、それを活かして、次のウェスタン&サザン・オープン、全米OPにつなげていってほしいと思います。