お久しぶりです。今日は書かずにいられない気分になったので。 【1】錦織の弱点を一旦マレーの気持ちになって考えてみる。 あえてマレーの気持ちになって考えてみた。僕はアンディマレー。テレビゲームが好き。 これを読んでる人もマレーの気持ちになって考えてください。君もアンディマレー。テレビゲームが好き。 ①スマッシュミスが多く、威力、リーチともにプロとしてはめずらしいほど弱点。 ②フォアボレーもセンス系のショットはかなりうまいけど、基本ショット精度はそれほど高くない。バックボレーは特にローボレーをダウンザラインに決めるの等は非常にうまい。 ③ファーストの確率は高くはない方に入る。セカンドサービスは、まあ強くはない。昔ほどたたき放題じゃないけど。とにかくセカンドはたたいてくしかないかなあ。回り込んで叩こうとするとたまにフォア側にスライスサーブを打ってくるので、回り込みを成功させた後に、錦織のこのサーブを読んでうまくフォアでたたく、なんてうまいことできたらいいな。 ④リターンは昔からだけどほんとうにうまい。リーチが短い分デューサイドでフォア側にスライスが効くこともあるけど。読まれたら好調のフォアで厳しい。かなり前に入ってくるから、去年までは「Nishikoriのリターン弱点はボディだぜぃ」みたいに言ってきた人もいたけど、今年になってそれも克服して本当にうまく返す。アドサイドのバック側へのスピンサーブは、のってくるとありえない形でダウンザラインにうちこんできたりするから注意。じゃあサーブどこ打てばいいんだよおおおおお。 ⑤ストローク、、、錦織のストローク、、、バックのクロスの角度つけるセンスは俺と同じくらいうまくてやばいなあと思ってたけど、昨日のナダル戦ではダウンザラインもうまかったみたいだし、、、 あのナダルからえげつないほどフォアでウィナーとってナダル死んだ顔してたし。どうしようもねえな。まあグリップ厚めだから、ほんのたまにスライスに対するフォアの返球ミスることあるくらいかな。でもほとんどないしな。もう錦織のストロークの好調さは割り切るしかねえな。 てな訳で、久しぶりすぎてブログの文体ほぼ忘れたので、とりあえずマレーの気持ちになってました。 ①のスマッシュは、たぶんATPツアーで1、2を争うロブのうまさを誇るマレーが積極的についてくる錦織の弱点でしょうね。マレーの芸術的なロブは観ていて惚れ惚れします。余談ですが、マレーと併せてロブの名手といえば、個人的にあがるのはヒューイット。何故かライン際に落ちまくるんだよなあ。 ②のボレーも、戦術家のマレーならパッシングで迷った時についてくるかもしれない。 ③は、まあ現状考え得る錦織の最大の弱点でしょう。とはいっても前述したフォア側へのスライスサーブなどもうまく組み合わせて錦織としてもかなりうまくやってると思います。とはいってもある程度2nd叩かれるのはしょうがない点もある。 錦織は、どちらかといえば1stサーブが連続してはいらなくなりがちな選手(超個人的イメージ。データはない)なので、A1st3本連続失敗をできるだけさける Bダフォのリスクを必要以上に恐れないで2ndも散らす くらいしか錦織としてできることはないかな、とも思います。まあ僕に言われなくても十分錦織やってますが。 ④のリターンは特にボディサーブのリターンは今年錦織が成長した点の一つだと思います。「錦織は前に踏み込んでくる」というのは実態としてもイメージとしてもこの1年で世界中のテニスファン、テニスプレーヤーが認識したことであり、「そんなに前にくるなら、反応しにくいボディを狙おう」というのは、対錦織で見えかけた一つの答えでもあったわけで、その弱点を見事克服したのはすごく大きいと思います。これだけリターンで弱点がないとなると、錦織は間違いなく世界でも最もサーバーにプレッシャーを与える選手の一人でしょう。「相手にダフォさせた率ランキング」というスタッツが仮にあれば、錦織は1位かもなんて思ってます。 ⑤に関しては、夏のハードコートシーズンに入ってからフォアのダウンザラインを中心に良さが目立ちます。錦織はどちらかというとクロスを愛しているテニスプレーヤーだったのですが、明らかに「フォアのダウンザラインをもっと積極的に打っていこう」という意思がみえて素晴らしいです。「常に成長していくこと」はBIG4の特徴でもあります。いや、常に成長してきたからこそ、BIG4が10年以上にわたって一時代を築けた一番の要因だと思います。 「万年3位だと揶揄されて、トッププレーヤーで唯一エースよりダフォが多かったジョコビッチのサーブ改善」 「とにかく後ろに下がってプレーしてたクレーの王者ナダルがハードコートでも勝つために踏み出した前でのテニス」 「Getting Closer…の涙なしには語れないマレー」 「8位から復活してボレーに磨きをかけ34歳にして今尚2位に君臨するフェデラー」 そう。「弱点をなんとかして克服し常に強くなっていく」彼らに共通してあったモノを錦織 にも感じることができたのが今日のナダル戦で僕がこの試合に感動した一つの理由でもあった気がします。 ということでナダル戦で気になったことを。全体的なことは他のブログなどで色々書かれているので。あくまでも個別にちょっと気になったことを。 【2】錦織のブレーク率4/4に見る、異常なまでの「ナダルらしくなさ」 この試合、錦織はナダルのサーブなんと4回もブレークしています。これだけでもすごいのですが、しかも、それは各ゲーム全て錦織が握ったブレークポイントのうち1回目で取ったものなのです。 ここだけみれば、「錦織は本当に勝負強かったんだなあ」となるかもしれません。でも、更に自分が注目したのは、全て30-40のカウントで錦織がブレークしたということです。つまり、ナダル側からすれば「全てアドサイドでブレークポイントを握られ、それらを1本も防げなかった」ということになります。 ナダルの強さの一つに、左利き特有のサーブがあり、ナダルがフェデラーと対戦する時の定番は「アドサイドでは相手のバック側にサーブを打ち、返ってきたボールを回り込みフォアで逆クロス」です。このように、アド側でのパターン化された強さ、左利きの強さ、を活かし、ブレークポイントである0-40、30-40、AD相手、をこの必勝パターンで乗り切れるためにブレークポイントセーブ率が高い、ことがナダルの強さの一つでもありました。 ナダルに対してブレークするなら30-40に追い込んだだけじゃダメ。15-40にしないと、というように個人的には強くナダル対策として認識していました。 それがこの結果です。ナダルのブレークポイントセーブ率0/4。全てアド側で失点。全盛期のナダルをみている自分としては、絶対にありえない光景でした。ナダルが2008年以降怪我以外でこのように負けた試合あったらスタッツみてみたいです。もし知っているかたいたら教えてほしいです。2008年ウィンブルドン決勝ナダルフェデラーが生涯で一番多く繰り返し見た試合であるからかもしれないですが、これは本当に信じがたい光景でした。 という感じで気になったことをだらだらと書いてみました。他の人にない視点で、かつ何か一つでも共感してもらえる視点を書けていたらいいなあと思います。 最後に明日のマレー戦予想でしめます。正直勝利は全くの5分であると僕は思ってます。 錦織 def マレー 6-4 6-4 去年のロンドンと同じスコアで。あのときは見事的中したけど今度はどうか。 明日朝楽しみですね。ではでは。