錦織がナダル超えをはたし、BIG4全員からの勝利達成! 準決勝で3位のマレーと対戦!(ロジャーズ・カップ2015 準々決勝)
ロジャーズ・カップ2015の準々決勝が行われました。第3試合の錦織VSナダル(9位)戦は、雨に加え、前の2試合がフルセットの熱戦となり、予定からかなり遅れてスタート。錦織が好きではないという、2試合連続でのナイトゲームになりました。
対戦相手は今まで勝ったことのない0勝7敗のラファエル・ナダルです。
今季のナダルは、2014年の腰の治療や虫垂炎の手術などの影響もあるためか、ランキングも9位に下げています。また、激しい全力プレーが身上のナダルですので、長い間トップでやるのは難しいという指摘は、以前からありました。
この試合は両者にとって大きな意味を持つ試合だと思いました。
ナダルにとっては、大会前に優勝し、再び調子が上向きの中で、ランキング4位の錦織に勝つことは大きいです。また、今まで負けていない選手に、負けることは避けたいところです。
一方の錦織も、この大会前のシティ・オープンで、ビックサーバー3連戦に勝利して優勝し、勢いと自信をもって、大会にのぞんでいます。マスターズ未勝利の錦織にとっては、優勝を目指す上でも重要な一戦です。さらには、今まで勝ったことのない大きない壁だったナダルを倒すことで、本当の意味でトップ4の領域に足を踏む込んでいけるのではないかと感じました。ですので、錦織にとっても、勝敗の意味が大きいと感じました。
試合の方は…
第1セット
錦織6-2ナダル(第3、第5ゲームに錦織がブレーク)
第2セット
錦織6-4ナダル(錦織が第3、第5、ナダルが第6ゲームをブレーク)
エース数
錦織:5
ナダル:4
ウィナー数
錦織:25
ナダル:15
…という結果で、錦織が見事なストレート勝ちとなりました。この勝利により、錦織はBIG4の全員から勝利をあげることにも成功したことになります。
第1セットは、錦織が第3、第5ゲームをブレークして6-2で取りました。
シティ・オープンでの優勝の勢いが今大会は続いている感じもしますが、この日の錦織はすばらしい集中力を、試合を通じて切らしませんでした。また、ナダル戦への勝利の意欲が高いからか、とにかく積極的な早い攻めが目立ちました。さらに、最近の錦織のリターン力は素晴らしいですが、この日も健在でした。そして、サーブも相変わらず好調。
このように、サービスでも、リターンでも好調のため、相乗効果で躊躇なく攻撃的に行くことができ、良い結果につながりました。
第1セットは錦織が圧倒し、ナダルはサービスゲームでリターンを警戒せざるを得ず、ダブルフォルトなども出して、ブレークを許すことになりました。
第2セットも序盤は錦織の勢いが止まらず、2つのブレークに成功して4-1としました。ただそこから、はっきりと勝利が近づいたため、錦織のミスが出始めます。逆に追い込まれたナダルは、開き直って思い切り攻めてきて、第6ゲームをブレークして、4-3と粘りを見せます。
それでも、錦織は落ち着いて、残りのゲームをキープして勝利につなげました。ウィナーでは157キロ出すなど、ストローク戦でも錦織に分がある展開になりました。また、コートを広く使ったり、的を絞らせないなど、錦織の良いところがとにかく目立った試合になりました。
試合後に錦織は、「サーブ、リターンなどすべてが良かった」と語っていました。攻めないと勝てないナダルに思い切り攻めることができて、思い描いた勝利を得ることに成功しました。
錦織は全仏OPのツォンガ戦で負けた後、グランドスラムの準々決勝の雰囲気にのまれてしまったと語っています。そして、大きい大会で準々決勝、準決勝に多く出て、出るのが当たり前というように慣れるのが重要だと語っていました。
ですので、マスターズでも、一戦、一戦を勝って、上に進んでいくことが、次につながることになると思います。
準決勝の相手は、2014年のロジャーズ・カップ優勝者のツォンガを、ストレートで破ったアンディ・マレー(3位)になります。
今季はマスターズであるマドリードOPの準決勝で対戦するも、くやしいストレート負けを喫している相手です。この大会の前にはバルセロナOPで優勝して、勢いをもって臨んだ錦織だっただけに、残念な敗戦でした。
マレーは錦織との練習時に、そのデータをデータ会社に分析させて、対策を練って錦織戦にはのぞんでいるようです。また、マレーは相手の良いところを消すのがうまい印象もうけますが、錦織とマレーの一戦は、どのような展開になるのでしょうか!?