夏のハードコート、マスターズシリーズに入り、今年の今までの流れが、ガラッと変わった様な気がします。ジョコビッチ、マレーは別格のように見えますが、まだまだこの酷暑の夏は何があるか分からない、波乱の匂いがします。又、フェデラーは昨年のカナダの600ptがありますが、シンシナティに照準を定め、一人フレッシュな状態で、優勝を狙っているのでしょうか。というか、年齢的な事も考え、年間トータルで考え、又今後のツアースケジュールを長いスパンで考えているのかなと思います。  今大会第2グループ以下の番狂わせが非常に多く、当然逆に下剋上を果たした選手もいます。まず、錦織選手と共にUSオープン第4シードを争うワウリンカ、ベルディヒが共に初戦(2回戦)で敗退し、錦織選手には良い風が吹いています。その他にはチリッチ、ラオニッチ、シモン、アンダーソン、デミトロフ、モンフィスといったシード選手が、初戦、1~2回戦で敗退して行きました。  結局、準々決勝(QF)のカードは下記の通りです。 1.ジョコビッチ vs ガルビス  久々にガルビスが上がってきました。今後がまた楽しみです。 2.イスナー vs シャルディ  ココは二人とも躍進です。イスナーはキリオス戦で1セット目を先取しましたが、満身創痍、逆にキリオスは軽快な動きをしています。イスナー、良く勝ったと思います。それにしてもラッキールーザーで出場のシャルディがQF迄上がって来ました。明日のイスナーの状況次第では準決勝(SF)進出、なんか行けそうな感じがします。MSでも、こういう事があるのですね。 3.マレー vs ツォンガ  ディフェンディグチャンピオンのツォンガ。マレーも過去に2回優勝している様です。お互い得意の大会でどうなるでしょうか。錦織が勝ち上がればどちらかと対戦する事になりますが、出来ればもう一度マレーとの試合を見てみたいです。先週のワシントンでも楽しみにしていましたが、マレーは初戦で早々に姿を消して行きました。しかし、ここはいくらマレーと言えどもツォンガを相手に安泰とは言えないでしょう。 4.錦織 vs ナダル  ナダルから初勝利を掴んで、マレー戦に臨んでほしいです。今日のナダル・ユーズニー戦、随所に全盛期を彷彿とさせるプレーも出ていましたが、全般的にあの当時の雰囲気が感じられませんでした。何と言えば良いか、ミスをしない様にプレーしているというか、前はそんな事、微塵も考えずにプレーしている様に見えていましたし、そんな迫力がありました。まだまだ、コンディションを上げていく必要があるように私には見えました。今の錦織選手であれば、ビックネームに怯む事無く、思い切って当たっていけば勝てる気がします。心臓の強い錦織選手ですから大丈夫でしょう。そして、その後はマレー、ジョコビッチに果敢に挑んでいってほしいですね。  それでは、今日のゴファン戦を振返っていきます。今回、初めてライヴでゲームを見ました。イスナー戦の途中から、ナダル戦、そして錦織(N)・ゴファン(G)戦、やはりいいですね。それまではネットで波乱の状況を見て、皆どんな調子なんだろうと、やきもきしていました。 Nのレシーブで始まりました。又、コイントスで勝って選んだのでしょうか、その場面は見なかったんです。  第1セット、二人ともサーブゲームを1ゲームずつ手堅く取って安定したスタートを切りますが、第3ゲーム、30-0から4ポイント連取でNがブレーク、ゲームカウント2-1とします。Gは、Nのプレッシャーを感じたのか、最終ポイント、前に出て入れるだけで決まるポイントをネットにかけます。Gも非常に技術が高く、サーブも良く、ストロークのパワーもあるのですが、Nと良く似たタイプで技術にしても、パワーにしても少しずつNの方が上という感じで、Nにとっては、戦い易い相手の一人ではないでしょうか。あと、Gはこのゲームの最終ポイントといい、プレーが淡白に感じます。2セット目もそうでしたが、大事なポイントでいとも簡単にミスをし、落としてしまいます。今日はたまたまそう見えただけかもしれませんが。  ブレーク直後のゲーム、エース3本とドロップショットによるポイントでサービスキープ、素晴らしい!いい流れで進みます。その後は、NがGのサービスゲームを押し気味に入るパターンもありましたが、Gが良いサーブで食い止め、Nを勢いに乗せません。  第10ゲーム、Nのサービングフォーザセット(SFS)、ラリーでNが押されながらも、ナイスロブショット等あり40-30、次のポイント、Nがラリーで押し最後フォアで左サイドを狙いますが、回転がかかり過ぎサイドアウト。このミス今日2回目、決めたと思った所のミスですので、余計に勿体なく感じます。調整してほしい一つですね。ジュースになり次は右にサイドアウト、Gのプレッシャーがかかっているのでしょう。Nは決め所で際どいコースを狙って、おしいサイドアウトが出てしまいます。しかしそこから、勝負所に強いNが、ブレークチャンスを与える事無く、ゲームキープ、1セット先取します。  第2セットに入り、錦織選手はストロークがさらに安定して来ます。先にセットを取った事で余裕が出来たのもあると思いますが、ボールをしっかり引きつけてヒットしている感じというのでしょうか。ダウンザライン(DTL)気味に打つショットをネットに引っかけたり、アウトにしたりする事が無くなってきました。サーブの調子が落ちてきた分、ストロークで補っているように見えます。  第3、第5ゲームとGの長いサービスゲームとなり、ダブルフォルト(DF)等もあり、Gはサービスキープに苦慮する様になってきました。特に第5ゲームは、40-0からDF、さらにNの又抜きロブ(今日最高に観客が盛り上がったシーンでした。何度も何度も手をたたき喜ぶ子供の映像がとても印象的でした。)等で追い詰めますが、取り切れません。ちょっと嫌な感じがしましたが、とうとう第7ゲーム、15-40からGはDFでまた簡単にブレークを許してしまい、セットカウント、Nの4-3、その後はお互いサービスキープでゲームカウント6-4、セットカウント2-0でNが勝利しました。  今日も、錦織選手がチャンスボールでエラーするシーンを何度か見ましたが、ゴファンも大事なところでポイントを落とす為、楽勝に見えました。錦織選手もあまりプレッシャーを感じる事無く勝利したのではないでしょうか。  QF進出、おめでとう!!  次は、これまで7敗のナダルに対し果敢に戦ってほしいですね。そして、前述したとおり、今回は勝つでしょう。その後、今大会2勝のマレーと3勝のジョコビッチ、2004年から10年間、昨年ツォンガが優勝する迄、ナダル、フェデラーを加えたビック4しか優勝していません。ここに、錦織圭の名前を刻んでほしいですね。そのためには、今日の様な好調なサーブで、決めるべきところは確実に決める。後、それだけでは絶対に勝てないと思いますので、思い切った試合展開を期待しています。全く不可能な話ではありません。戦略がはまれば、絶対にチャンスはあると思います。  可能性がある限り、挑戦しよう!頑張れ!錦織選手。