ラファエル・ナダルがドイツのハンブルクで行われたベットアットホーム・オープン(ATP500)で、見事な優勝を成し遂げました。 現在のナダルは、ランキングが4位から10位まで落ち、11位のジル・シモンとのポイント差は約250ポイントとなっています。 最近はウィンブルドンで、D・ブラウンに2回戦負けを喫したり、AEGON選手権でA・ドルゴポロフに1回戦負けを喫するなど、実力の陰りが見えています。 一方で、メルセデス・カップ、アルゼンチン・オープンで優勝するなど、好不調の波が激しい印象もあります。 そして、決勝の相手であるファビオ・フォニーニとは、今季は2試合戦って2敗しています。ナダルとしては、絶対に破りたい相手です。                                           一方のファビオ・フォニーニは、ランキングが32位。今季成績は20勝15敗で、この大会の2013年の優勝者でもあります。全豪OPのダブルスでは優勝するなど、その実力は高いです。                                           今大会の決勝での両者の激突は、2時間半を超える激闘となりました。 第1セットはナダルが7-5で先取します。 第12ゲーム、フォアのダウンザラインで勝負を決めましたが、長いゲームでした。                                           ナダルがサービスで開始した第2セットも接戦となります。第2ゲームのフォニーニのサービスでは、7回のデュースになるなど、序盤から激戦模様。 第4ゲームでナダルがブレークして、3-1とするも、第5ゲーム、第7ゲーム、第9ゲームでフォニーニがブレーク。4-5とした第10ゲームのサービスゲームでは、40-15と先行。フォニーニが第2セットは奪ったかと思いましたが、ナダルが逆襲して、ブレークします。 さらに、第11ゲームではフォニーニが2ブレークポイントを握るも、ナダルが粘ってキープ。そして、第12ゲームも取りました。結局、7-5、7-5でナダルがヨーロッパのクレーコートで、今季も優勝をはたしました。                                           フォニーニは、鋭いフォアウィナー、バックハンドショット、高い守備力、カウンターショットなど、高いストローク力を示した試合でした。ただ、ここぞという時にミスを連発したり、精神面では、トップ選手と比べるともろいところがある印象です。 また、アンフォースドエラーを60も出したのは、痛かったです。 さらに、第2セットの第9ゲーム後、ナダルに対して、激しい口調で怒りをあらわにするシーンもありました。怒っていた内容は気になるところですが、その後は集中力を切らした感もありました。                                           ちなみにスタッツを見ると、エースの数はナダル1、フォニーニ0。ウィナーの数はナダル18、フォニーニは39と、ナダルの数字からは寂しさがあります。しかし、それをカバーする精神力、粘りが見れた試合でした。また、変わらない全力プレーのナダルの姿に、気持ち良さを感じる試合でもありました。 試合後のスピーチ中には、足がつるなど、激闘だったことがわかりましたが、ナダルここにあり! という楽しくも見ごたえのある試合になりました。