錦織は、全仏OPのベスト16となる4回戦にのぞんでいます。3回戦でベッカーが棄権したため中3日の休みがあったので、試合勘が少し心配されました。また、雨により試合が2時間以上遅れた上、雨風がある中での試合となりました。 相手は、ロペス、モナコといった上位選手をストレートで破って、ここまで、まだ1セットも落としていないガバシュビリ(30歳/74位)でした。過去の対戦成績はガバシュビリに対して、錦織が3勝1敗(1敗は錦織の棄権)としています。直近の対戦は、錦織が優勝したバルセロナOPの2回戦でしたが、その時は錦織が2-0で快勝でした。                                          この試合ですが、第1セットは6-3で錦織が取りました。力強いガバシュビリのストロークも決まっていましたし、時に、錦織のサービスゲームでも強力なフォアなどで攻めてくる場面もありました。積極的で仕掛けが早かったです。やはり、ガバシュビリも好調で、バルセロナとは別人の印象でした。ただ、この日の錦織はとても調子がよく、ガバシュビリの何倍も上を行っていた感があります。 1回戦、2回戦では1stサーブの入りが40から50%でしたが、この試合は第2セットまでは70%台まで上がっています。また、1stサーブのポイント獲得率が、ここまで81%と全選手で3位ということもあり、サーブが入れば良いリズムを作れています。この日の錦織はショットのタイミングが合っており、ストロークがとにかく良かったです。                                           第2セットに入ると序盤、錦織にミスが出始めます。互いに1ゲームずつキープした第3ゲームは、この試合の大きなポイントになりました。実に4度のデュースとなる拮抗したゲームでしたが、錦織はストローク戦でやはり強く、攻められてもフォアで反撃するなど、相手にゲームを取らせません。リターンでもプレッシャーをかけ続け、最後はガバシュビリが2連続でダブルフォルトで落としてしまいます。ここからは、錦織の流れとなりました。 ただ、2ブレークリードしてからは、錦織に若干の隙が生まれ、反撃をゆるす場面がありましたが、第2セットを6-4で取ります。 そして、第3セットになると、錦織の優位性がより明確になり、ガバシュビリは反撃の糸口をつかめませんでした。第3セットは6-2と、終わってみればストレート勝ちで圧勝でした。 雨や風など難しいコンディションにも対応できた錦織。この日はサービスも良かったですが、ストロークがさえていました。それに、ガバシュビリとは相性も良い感じがします。 錦織はこれで自身初、日本人としては男子82年ぶりの全仏OPベスト8進出になりました。                                           気になる準々決勝の相手ですが、トマシュ・ベルディ(4位)か、ジョー ウィルフリード ツォンガ(15位)なります。両者の対戦は現在も続いており、地元の声援を受けたツォンガが優勢に進めています。この大会はフランス勢が5人、ベスト16に入っており、ホームコートの後押しを受けています。  試合の方はベルディヒからツォンガが2セット取って、第3セットも5-4とリード。しかし、サービスゲームでブレークされて、第3セットはタイブレークの末、ベルディヒが取っています。両者の対戦は6勝2敗で、ベルディヒが勝ち越しているということですが、どうなるでしょうか?                                           ベルディヒは今シーズンもとても安定していて、とにかく格下にめっぽう強いです。ランキング11位以下には33連勝中ということです。特に攻撃に優れ、高速サーブやフォア、ボレーを武器とする選手です。試合を見ていると、勝利への執着心も強くなっています。 一方のツォンガは今季さえない状況でしたが、ここにきて調子も良いようです。彼もまた高速サーブを持っており、ストロークやネットプレーも強力なオールラウンダーです。 両者に共通しているのが、4大大会でBIG4全員に勝利している現役で数少ない選手という点です。 このようにどちらも、能力の高い選手ですが、今季の成績を見ると、ベルディヒが34勝9敗、ツォンガが序盤の故障もあって9勝5敗と大きな差があります。また、今季はマドリードOPの3回戦でベルディヒがツォンガにストレート勝ちしています。このような状況だけに、ベルディヒが勝ち上がると考える人も多いと思いますが、いったいどちらが準々決勝に上がってくるのでしょうか!?  追記:錦織の対戦相手は、ツォンガに決まりました。ツォンガとの対戦成績は4勝1敗と、分が良い相手です。しかし、強烈なサーブやフォア、重い球や角度のあるボールに気を付けたいと錦織は語っています。 ツォンガには地元フランスの声援の後押しがあるので、錦織にとってはアウェーでの試合になりそうです。                                           byあかつき18号(あかつきスポーツ☆18ニュースを書いています)