全仏OP2015が始まり、錦織は早くも初日に登場となりました。 相手はフランスのポール=アンリ・マチュー。ランキングは123位ですが、最高で12位まで到達した実力者です。けがに泣かされるシーズンも多く、ランキングは低いですが、いわゆる迷惑ノーシードと言われる、初戦で当たるのは嫌な相手でした。 33歳になったベテランですが、勝負師と言われるだけあって、この試合も自分から積極的に攻めてくる場面も多かったです。                                           第1セットは6-3で錦織が取りました。序盤は両者が気合が入っていて良いプレーを見せました。しかし、第3ゲーム、第9ゲームと序盤、終盤のブレークが一番ほしいところで勝負を決める試合運びも良かったです。 ただ、やはり緊張感があり、固さが見られる場面もありました。グランドスラムの初戦はどんな選手でも、難しいといわれますが、そういう感じでした。                                           第2セットになると、第1セットでも集中力と攻撃的な姿勢で、攻めていたマチューが攻勢に出ます。バックハンドのダウンザライン(ストレート)が良く、ストローク戦でも時に錦織から主導権を奪う場面もありました。最初の2ゲームは錦織が取るも、そこからマチューがブレークバック、キープ、ブレークとリードします。 錦織は第1セット、第2セットを通して、1stサービスがなかなか入らず苦戦の原因となっていました。また、マチューのストロークに左右に揺さぶられる場面もありました。ただ、第6ゲームでは錦織が集中力を発揮して、ラブゲームでブレークバック。 しかし、この後も、流れは一進一退で、地元フランスでも人気のあるマチューの完全なホームコートの中で、彼のプレーを声援が後押ししていました。 それでも、第2セットは錦織の辛抱強さがありました。また、きわどいところで、マチューのミスがあって助けられた部分もありました。最後は第12ゲームで錦織が見事にブレークして、7-5でセットを取りました。このセットが一番盛り上がり、見ごたえがありました。                                           第3セットになると、錦織の固さも消えて、いつもの強い錦織になりました。ストロークでも優位に進め、入らなかった1stサーブが改善して、60%以上入るようになって、リズムができました。一方のマチューは疲れもでたのか、競ったセットを落として勢いが落ちました。このセットは錦織が6-1と圧倒して、終わってみれば、ストレート勝ちでした。 とはいえ、スタンドを埋める観客の声援はやはり、素晴らしく、選手の良いプレーを引き出していたようにも思います。また、マチューもその声援に応えようと、気迫のこもったプレーを見せていて、印象深い初戦となりました。やはり、全仏OPの雰囲気は良いですね。                                           気になる2回戦の相手は、ブラジルのトーマス・ベルッチ(69位)とオーストラリアのマリンコ・マトセビッチ(100位)の勝者との対戦となります。ベルッチは勝負強い選手で、左利きです。全仏直前の大会のジュネーヴ・オープン(250シリーズ)で優勝しており、勢いもあるでしょうから、ちょっと嫌な相手ですね。 一方のマトセビッチはベースラインでしっかり打ってきて、ネットプレーなども見せるオールラウンダータイプです。グランドスラムでは、初出場から3年間、初戦で負け続けたという経験があります。実に12回負け続け、その中には錦織とも対戦して黒星になった試合もありました。そして、13試合目にして初めて、全仏で勝利して、「肩から荷が降りた」と言わずに「肩からゴリラが降りた」と言ったエピソードを持っています(初勝利はドイツのダスティン・ブラウン)。このようにちょっと憎めない選手ですが、明日試合ということなので、注目したいと思います。                                           byあかつき18号(あかつきスポーツ☆18ニュースを書いています)