マドリードもいよいよ終盤に入ってきました。今日は女子決勝、そして男子準決勝が行われます。 錦織は準々決勝でフェレールと対戦しました。結果から言うと、6-4,6-2のストレート勝ちで試合時間は1時間と少し。勝ったとしてももっと長くなることを予想していたので、正直びっくりしました。 序盤は完全にフェレールでした。第1ゲームを楽々キープすると、第2ゲームでいきなり錦織はブレークされます。やっぱり上位選手はレベルが違うなと思いました。 しかし第3ゲームで錦織のリターンを警戒するあまり、狙いすぎてダブルフォルトを2度犯すと、すぐにブレークバックに成功。このブレークバックで流れが錦織に傾いた気がします。ただ、ブレークバックしたといってもフェレールが自滅したような感じで得たものだったので、本当にこれはラッキーでした。 フェレールが好きなラリー戦に持ち込まないように、先に先に錦織が攻める展開。今日のフェレールはいつもより少しミスも目立ったような気がします。第1セットを6-4で取ると、第2セットも流れは錦織のまま。錦織のサービスゲームでフェレールがポイント先行する場面もありましたが、肝心なときにファーストが入って、フェレールがリターンできずにサーブだけでポイントを取るシーンも結構ありました。 主導権を渡さなかった錦織は第2セットも6-2で取って勝利しました。いつものようなフェレールの粘りが今日はあまり見られなかったような気がするので、フェレールも本調子ではなかったと思います。おそらく、ベルダスコ戦の疲労もあったのだと思います。 錦織も初戦からフルセット戦っていましたので、そこまで体力差は変わらないかと思ったのですが、直近のアグート戦をストレートで終えられたのが大きかったかもしれませんね。 これでベスト4進出を決定させました! Too good tonight! Kei #Nishikori cruises into the #MMOPEN15 SFs with a 64 62 win over David #Ferrer. pic.twitter.com/TV4FAb67cO— TennisTV (@TennisTV) 2015, 5月 8 ナダルVSディミトロフはデュースも多い競った試合でした。ナダルがストレートで勝ちましたが、スコア以上に厳しかったような気がします。しかし試合終盤にディミトロフのミスが増えてくると、ディミトロフはいらついてしまいラケットを折る事態に。 それからはディミトロフの集中力が欠けたような感じを受けました。ナダルは1度MPを凌がれつつも、2度目できっちり決めて勝利しました。ナダルの調子は良いとまでは言えない気もしますが、徐々に徐々に上げていってるような感じもありますね。不安視されながらもきちんと勝ち上がってくる辺りは流石です! Very, very happy Rafa #Nadal signs off on signature cam. http://t.co/HNDINmxRpO #MMOPEN15 pic.twitter.com/I4IxBtxrqt— TennisTV (@TennisTV) 2015, 5月 8 ベルディヒVSイズナーは予想した通り本当に苦しい試合でした。試合を通してイズナーのサーブが絶好調だったからです。ベルディヒは第1セット先にブレークされてしまいブレークバックのチャンスを伺いますが、イズナーのサーブが良過ぎて触れることも出来ない!というのが多くありました。第1セットでBPを握る場面もありましたが、サーブで凌がれブレークバックできずに3-6で落とします。 第2セットもイズナーのサーブが良くてブレーク出来る場面は本当にありませんでした。でも昨日記事で書いた通りまず自分のサービスゲームをキープすることが大事でした。ベルディヒは落ち着いて自分のサーブをキープし続けて、タイブレークまで持っていきます。タイブレークでもお互い譲らずイズナーのMPに。しかしベルディヒもこのMPを凌ぐと、イズナーのミスを誘いベルディヒがこのセットを取り返します。 第3セットもイズナーのサーブは完璧。しかしベルディヒもきっちり自分のサーブをキープして我慢します。キープキープが続いてタイブレークまで持っていくと一気に最後は流れがベルディヒになりました。最初にイズナーがミニブレークを許すと、ベルディヒが5点連取。その後1点返されるもカウント7-1でベルディヒが大逆転勝利を収めました。 本当に厳しい戦いでした。イズナーのサーブが全く崩れないのでブレークするのが相当難しい=先にブレークされたら第1セット同じような展開で負けてもおかしくなかったからです。その緊張感の中でもしっかりと第2セット、第3セットキープし続けたベルディヒは本当に素晴らしかったです。そしてタイブレークのワンチャンスをものにしました。 イズナーもサーブのイメージが強いですが、ファーストが入らずセカンドサーブになるとリターンエースも狙ってくるのでこれは本当に驚異です。錦織が敗れた時はあのときが異常に調子が良かったのかも・・という気持ちも多少ありましたが、そうではなくてイズナーは全体的に今季は調子が良いような気がします。サーブを決められると本当に厳しくなるので、対戦時には世界ランク以上に注意したい相手ですね。 この勝利でベルディヒはこのマドリードでも一度も11位以下の選手に負けることなく、ベスト4に進出しました!今季無敗記録は継続中です。 また今季30勝を達成し、ジョコビッチと並びました。 Big smile from the big guy. @tomasberdych signs off an impressive win. #MMOPEN15 pic.twitter.com/s2F6Uxt5fk— TennisTV (@TennisTV) 2015, 5月 8 最後のベスト4進出者はマレー。ラオニッチをストレートで破りました。マレーはミュンヘンからの連戦なのにもかかわらず、本当に頑張っていますね。ミスの少ないプレーでここまでしっかりと勝ち上がってきました。クレーが少し苦手というのは忘れた方がいいかもしれません。 ラオニッチはまだ怪我が完全に治っていないようで、ローマの欠場が発表されました。この結果、ローマのポイント失効分360が0になり、第4シード争いから離脱することになりそうです。 ただ、錦織に対しても前に書きましたが、第4シードが取れなかったとしても上まで勝ち上がって来れないわけではないですし、何より大事な全仏で失敗しないことが大切です。そういう意味では無理せずに欠場したラオニッチの判断は間違っていないでしょう。 Andy #Murray is through to the #MMOPEN15 SFs! Big smile as he beats #Raonic 64 75. http://t.co/HNDINmxRpO pic.twitter.com/J79KNmAg3w— TennisTV (@TennisTV) 2015, 5月 8 それでは準決勝のカードです。 ☆ナダルVSベルディヒ 対戦成績:ナダル18勝 ベルディヒ4勝 今年の全豪準々決勝のカードが再現しました。対戦成績ではナダルが圧倒しているものの、復帰明けの全豪ではベルディヒがストレート勝ちして連敗を止めました。今もナダルが本調子とまでは行かないうえ、逆にベルディヒは非常に安定しているのでどちらに転んでもおかしくないと思います。 マイアミやバルセロナで苦しい試合を経験しながらも、このマドリードでナダルは準決勝まで勝ちあがってきました。ナダルは優勝しないと4位に復帰できません。準優勝でも7位という厳しい条件になりました。連覇を果たすためにも負けられない戦いです。 一方のベルディヒはガスケ、ツォンガといった実力者を下して勝ちあがってきました。ドロー運について言われることが多いベルディヒですが、今回はそんなに楽ではないですし、フェデラーが負けたとはいえ結果的にイズナーに1回MP握られてるので、厳しい試合を乗り越えてここまで来たと思います。 5000p超えを確定させて、キャリアハイ更新の4位の可能性も残しました。ナダルに勝利できれば例え準優勝でもマレー次第で4位の可能性があります。 クレーキングの意地か、好調のベルディヒか、とても楽しみな1戦です! ☆マレーVS錦織 対戦成績:マレー3勝 錦織1勝 いよいよ錦織は今季初めてBIG4との対戦する機会がきました。TOP10では錦織だけが対戦していませんでした。バルセロナ優勝連覇を果たした錦織と、ミュンヘン優勝で初めてクレータイトルを手にしたマレー。勢いで言えば互角と言っていいでしょう。 疲労感は連戦の関係でマレーの方があるとは思いますが、もう準決勝まで来てますからマレーもそうそう崩れないと思います。マレーも当然ここまで来たら優勝を狙ってくるでしょうしね。 クレーでは今回が初対戦になります。錦織がどこまでBIG4と戦えるようになったのか、その進化を証明できるか非常に注目な1戦ですね。挑戦者の気持ちを忘れずに前に向かっていきましょう! 優勝まであと2つ。近いようで遠い高い壁です。でもこれを乗り越えれば、また更に大きな自信がつくはずです。