ご無沙汰しております。 地獄級の忙しさだったGWも終わり、漸くここに戻ってくる気力も復活してきました。 またよろしくお願いします。 前回の投稿からだいぶ時間が経ってしまいましたが、その間にもメンフィス優勝(250)、アカプルコ準優勝(300)、デ杯での2勝(80)、インディアンウェルズ4R(90)、マイアミQF(360)、そしてバルセロナ連覇(500)と、色々な事がありました。 これはトップ10、トップ5プレーヤーとして十分な成績であると言えるでしょう。 粘り強く、勝負強く。 格下相手にはほとんど取りこぼしせず、競った試合はことごとくものにしてきました。 報道量も昨年全米から続くフィーバーぶりで、各時間帯のニュースでそのプレーぶりが紹介されています。 こんな時代が来るようになったんですね。 マスターズ1000、マドリード・オープン。 昨年のフェレールとの死闘、そしてナダルとの決勝戦は未だに忘れることはできません。 2014バルセロナからマドリードの錦織は本当に強かった- 「これは…もしかして…?」 と思わせるに十分な内容と結果を、積み重ねていきました。 しかし期待がふくらむのに比例して、日ごとにすり減っていく体力と精神力、身体の自由。 美しくも危うい妖刀のようなその姿は、頂点まで後一歩という所で音を立てて崩れてしまいました。 本当にtragedyな、忘れることのできない大会となりました。 その後、失意の全仏から全米での飛躍は、マドリードでの運命的な戦いの連続の経験がきっかけとなったところが、大いにあったように思えてなりません。 あれから一年。 当時世界ランク12位だった日本の若者は成長を続け、この大会に#4シードをつけて帰ってきました。 昨年は「錦織、悲願のMS制覇ならず」という見出しに違和感を覚えたものですが、この一年でその見出しに相応しい選手になったと思います。 今大会は最強のチャンピオン・ジョコビッチが欠場、#1シードのフェデラーは既に敗退。 あくまで目標は1ヶ月先のローランギャロスとはいえ、錦織にはもはやこのマスターズ大会を勝ち抜く義務すらあるように思えます。 昨年と大きな違いがあるとするならば、今年は#8シードまでに与えられる1Rのbyeを持っていることでしょうか。 これは慢性的に肉体に不安を抱える錦織にとっては大きなアドバンテージです。 しかしプラス材料はこれくらいなもので、不安材料が山ほどあるのも事実です。 バルセロナで負傷した股関節の故障がどれほどのものなのかも気になるところですし、さらには注目度の高い前年ファイナリスト、#4シードだからなのか、試合の開始が非常に遅く、コンディションやメンタルの調整が難しい状態に置かれていること、決勝まで勝ち進めば5連戦となること。 そして相変わらずのドロー運のなさ。 錦織にとっての初戦となったゴファンはトップ10のプレーをしていましたし、睡眠不足での相手は難敵アグー。 それでも結局は勝利を重ね、QFまでやってくるあたりは流石の世界ランク5位と言うほかありません。 頂点まであと3つ。 今回もやけに厳しいテニスの神様から次に遣わされた相手はダビド・フェレールです。 またか! またなのか! と、世界中のテニスファン、そして錦織もフェレールも思っていることでしょう。 「フェレールとラオニッチは特別な絆があるみたい」 という錦織の言葉を借りるまでもなく、このスペインの鉄人と日本の若武者の間には浅からぬ因縁があります。 決定的とも思える全豪4Rでの快勝、錦織が通算で5連勝で迎えたアカプルコ決勝。 あの試合もスコア上は錦織のストレート負け、フェレール久々の勝利でしたが、その実は壮絶な内容でした。 2ndセット、錦織が2ブレイクダウンから追いつき、再びブレイクされるも執念のブレバ、でもさらにブレイクされて敗戦といった内容だったと記憶していますが、とにかく見ている方も疲れる試合でした。 あの内容ではフェレールも、錦織に対する苦手意識を払拭とまではいかないと私は思います。 結局のところ、錦織がフェレールに敗戦する時はいつも1stサーブの不調やアンフォーストエラーの連発によるストレート負けというもの。 ゴファン戦のようにウィナーの数がエラーを上回るようであれば錦織が、アグー戦のようにエラーがウィナーを上回るならフェレールが勝つことになるのではと思います。 自分との戦いと言ってしまってはフェレールに失礼ですが、錦織は身体的に不安を抱える中で、どれくらい自身をセルフコントロールできるかが最大のカギになりましょう。 ひいてはそれが未だ底を見せてないクレーでの今後を左右することにもなる筈です。 昨年は途中で覚めてしまった夢のつづきが、もうすぐ近くまで来ているんですね。 本日の深夜にはローマMSのドローも発表されます。 昨年のクアラルンプール~東京の2週連続優勝は圧巻でしたが、このマドリード~ローマは対戦メンバー的にはその比でない程の難関です。 不安や不可能に打ち勝ってきた錦織ですから期待もしたくなりますが、果たしてどうなることでしょう。 願わくばこの運命の地マドリードで、錦織が初のMS制覇を成し遂げてほしいものです。 試合開始は日本時間明日のNB午前3時開始の2試合目ですから、5時から5時半くらいでしょうか。 この2人の歴史にまた彩りを加える、素晴らしい試合を期待しています。 そしてどうでもいいことですが、今日は私の誕生日だったりするので、できたら勝ってほしいなと思います(笑) あれ、去年も同じようなこと言ったようなと思ったら、2014マドリード4Rのラオニッチ戦のときに同じ事を言っていました(笑) その試合はタイブレーク2本を制しての快勝、今日もよろしくお願いしますね錦織さん!