ランキングの計算に手間取ってなかなか記事を上げられません。来週はモンテカルロという一大イベントがあるのでおそらくバルセロナか翌週のイスタンブールの週になってしまいそうです。  その代わりに本日お送りするのは1~3月のまとめ記事。こんなこともあったかと思い出していただければ幸いです。 ◎圧倒!ジョコビッチ  この3か月はまさにジョコビッチのためにあったと言ってもよいでしょう。病み上がりで臨んだ開幕戦のドーハこそカルロビッチに不覚を取りましたがその後行われた全豪、インディアンウェルズMS、マイアミMSとビッグタイトルを全部制してしまいました。  ジョコビッチの強さは他を圧倒しています。全米で錦織に敗れてからもう半年経ちましたがその間わずか3敗(42勝)。そして誰かが奮起してジョコビッチを苦しめた時ほどその強さが一際輝きます。追い詰められた最終セットの強さたるやすさまじく、マレーやバブリンカ相手でも容赦なく6-0というセットを作ってしまうのです。  5月で28歳。円熟期を迎えたジョコビッチは今年こそ悲願の全仏を取りに来るでしょう。誰がジョコビッチを止めるのか? ◎マレーの復活  錦織がマレーを撃破して準決勝に進んだツアーファイナルより後、メディアはすっかりBIG3という表現に切り替えマレーのことなど忘れてしまったかのように振る舞いました。オフには陣営二人と決別してモレスモとの契約延長を発表したり婚約も決まるなどコートの外ではマレーの話題に事欠きませんでしたが、GSを争う存在としては「BIG3 vs YOUNG GUNS」という3対3の対立関係が成立しマレーの存在感が落ちていたことは否定できない事実です。  しかし迎えた全豪でディミトロフ、ベルディヒを撃破するなどして見事決勝進出。2月のロッテルダムやドバイではイマイチでしたが3月に入ってデ杯2連勝を挙げてから再び猛チャージ。苦手のインディアンウェルズでベスト4に入り、その後のマイアミでは全豪に続く決勝進出を果たしています。この3か月間で挙げたポイントはジョコビッチに次ぐ2位につけていますが、その好成績には唯一優勝の二文字が足りません。3連敗を喫しているジョコビッチ戦が痛いですね。  苦手クレーのシーズンに入るとマレーの戦いは小休止ですが、そのすぐあとに芝シーズン、そして地元開催のクイーンズとウィンブルドンが待っています。復調したマレーは芝で手ごわい存在となるでしょう。 ◎記録ラッシュ  いきなり年の初めに大ニュースがありました。33歳にして衰えを知らぬロジャー・フェデラーが通算1000勝を達成したのです。その後2月にはロブレドが通算500勝を、ドバイではベルディヒが通算500勝を、マイアミではマレーも通算500勝を達成しました。彼らには及びませんが錦織もアカプルコで通算200勝を達成しています(当時の記事)。  またフェデラーはドバイで通算9000エースも達成しました。このフェデラーの記録は測定の始まった1990年以降における歴代4位、現役2位。現役1位のカルロビッチは一足早く2か月前のドーハで9000エースを達成(当時の記事)し、歴代1位のイバニセビッチに向けて突き進んでいます。 ◎元気なベテランと押される若手  昨年も元気なベテランたちの活躍が目立った年でした(年代別ベテラン一覧、1981世代の活躍)が、今年はさらにベテラン選手の活躍が増えているように感じられます。次世代陣の筆頭に立つ錦織も何度となく彼らに煮え湯を飲まされてしまいました。  まず思い出されるのはアカプルコで逆襲を食らったフェレール。今年すでに3大会の優勝を収めているフェレールはこの4月2日で33歳になりました。昨年のマイアミ以来1年間で6度も対戦した宿敵。錦織が5連勝していましたが、この度の敗戦により二人の関係は仕切り直しとなるでしょう。バルセロナ、マドリッド、ローマ…どこかで激突することがあるかもしれません。  現在12位につけるフェリシアーノ・ロペスも元気に活躍を続けています。インディアンウェルズでは錦織に痛い敗戦を食らわせました。通算サービスエース7000本を記録した強力なサーブとそれを利用してのボレーというスタイルは現代のテニス界では珍しい戦術で、中々対応できない選手も多いようです。  また記録という点で見ると34歳にしてツアー初優勝を達成したエストレラや、コナーズ以来26年ぶりという年長優勝記録を打ち立てたカルロビッチもいます。そしてカルロビッチ優勝後に作成した優勝者の年齢別内訳を再更新してみると・・・  若手陣は錦織に代表されるいわゆる「次世代組」の足踏み感が出てきた一方でより若い世代、本当の意味での若手達の躍進が目立ちました。若手特集を上げた後、コキナキスがインディアンウェルズ16強に、ティエムがマイアミベスト8に進めたことで結果的にタイムリーな記事となりました。彼らの更なる活躍はあるのでしょうか。 ◎当ブログ人気記事  多くのアクセスをいただきありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。なお、この3か月の人気記事は… 〔錦織の現在地〕ここ10年の世界ランク3,4位を見てみよう 〔錦織200勝〕達成者現役43人の通算勝利数ランキングをチェック このほか錦織の「世界ランク4位」をめぐる各記事は安定した人気がありました。  それからこれまで日本語ソースのなかったランキング仕様のマイナーチェンジ情報について記事を書けたのは大きな収穫です。このような機会はなかなかないと思いますが、出来るだけ色々な情報に目を通していけたらなと思っています。