ラオニッチがやってくれました!ナダルを相手にあっさり第1セットを奪われたラオニッチでしたが、第2セットは踏ん張りタイブレークへ持ち込みます。タイブレーク4-4からナダルに素晴らしいショットでミニブレイクを奪われ万事休すと思われましが、その直後苦手のバックハンドを決めて逆襲。もつれにもつれて12-10まで行ったタイブレークをラオニッチが奪い返して試合をフルセットに持ち込みました。その間3度のMPを凌いでいます。  最終セットもナダルが押し気味に進め何度となくチャンスは作ったものの、要所要所でことごとくラオニッチが踏ん張りました。第1セットは全然決まらなかったストロークをしっかり決められるようになり、コントロールに苦しんだ1stサーブも第2セット以降は確率が上がりました。耐えたラオニッチに勝利の女神が微笑みます。ネットインで奪った幸運な最初のポイントがきっかけでした。30-40からのBPは凌がれたものの、フォアを打ち込んで再びBPを握り、なんとか打ち返したボールが絶妙な深さに飛ぶと判断を誤ったナダルが返せずブレイクに成功。これを146マイル(235キロ)のサービスエース!を決めるなどして守りきり、対ナダル初勝利と準決勝進出を決めています。本当に見事な勝利でした。 The #BNPPO15 men's semis are set! #Djokovic vs. Murray and #Federer vs. #Raonic Who are YOUR picks?! #BNPPO15 pic.twitter.com/YwsIy6l4iw— BNP Paribas Open (@BNPPARIBASOPEN) 2015, 3月 21 【準決勝第1試合 ジョコビッチ vs マレー】  全豪決勝から2ヶ月とたたないうちに再戦の機会が訪れました。ジョコビッチが現在16勝8敗と大きくリード、しかしマレーが12年全米で勝ったとき両者の対戦成績は8勝7敗でした。そこからジョコビッチが3連勝⇒1敗(WB決勝)⇒5連勝と一気に突き放し現在に至るのです。  両者の二度目の対決がここIWの準決勝でした、2007年のことです。当時13位のジョコビッチと14位のマレーが準決勝で激突。ここで快勝を収めたジョコビッチが一足速くトップ10入りを果たすとそのまま一気に3位まで駆け上がりました。IWで両者が相見えるのはそれ以来、8年ぶりとなります。  ジョコビッチの有利は揺るぎません。5連勝中という対戦成績、過去3度優勝と準優勝1度のみという大会との相性差、そして現在の実力。何から何をとってもジョコビッチが勝ります。だがそれでもマレーの意地が見たいです。このまま負け続けていいのか?どこかで止めなきゃ駄目でしょう。昨年全米や今年全豪のテニスは第2セットまで限定なら十分ジョコビッチに通用しています。幸いここはマスターズ、2セット取れば勝ちなのですから。 【準決勝第2試合 フェデラー vs ラオニッチ】  ナダルが敗れた一方で、フェデラーの準々決勝は文字通りの快勝。ベルディヒの調子が上がらず攻めを繰り出せないとなるとフェデラーへの対抗策は何もありませんでした。フェデラーは好き放題ショットを決めまくってベルディヒに何もさせず、第2セットに至っては6-0と丸焼きにしてしまいました。UEもわずか11個と内容も素晴らしく、5度目の優勝へ向けて突き進んでいます。 Watch this: sensational!!!! Roger #Federer at his very best against #Berdych in this rally. #BNPPO15 http://t.co/iaamcV9C7M— TennisTV (@TennisTV) 2015, 3月 20  そしてラオニッチにとっては「対BIG4」第2ラウンドとなります。このラオニッチの姿は2年前のデルポトロを思い出させます。デルポトロは準々決勝でマレーを、準決勝でジョコビッチを破って遂に決勝まで勝ち上がったものの、さらに待ち構えた3人目のナダルに及ばなかったのです。あまりにも非情な結末でした、しかしこれを乗り越えなければMS優勝は果たせません。  両者の対戦成績はフェデラーの8勝1敗。ラオニッチは対フェデラー泥沼の6連敗でしたが、昨年のパリMS準々決勝以降、フェデラーが苦手とするバックハンドに自分の回り込みフォアハンドの強打を集めながら戦うことで対抗策を見出しつつあります。策はあっても自分のストロークにそれを実行できる力がなかったとも言えますが、ブリズベンや昨日のラオニッチなら不可能ではないはずです。  迎え撃つフェデラー側に必要なのは無駄な隙を作らないこと。ブリズベンの時がまさにそうだったのですが、フェデラー自身が崩れてブレイクバックを許さなければ本来楽勝の試合でした。今日の試合にしてもナダルが終始押し込み試合を決めるチャンスがあった、ナダルのマッチポイントでラオニッチの1stが入らずセカンドサーブになったときもあったが決められなかった。ラオニッチはそういう「幸運」が舞い込んだ瞬間を逃しません。千載一遇のチャンスで狙い通りに強打を打ち込むことができる選手です。ラオニッチを生き返らせてはいけません。  果たして決勝に進むのは誰でしょう?あと二日間、見逃せない試合が続きそうです。