錦織がデルレイビーチで歴史的な優勝を飾ってから7年が経ちました(当時を振り返った内田暁さんによる記事)。当時18歳、世界ランク244位だった錦織はついに世界5位まで上り詰め、さらにその先を見据えています。  錦織の後を追いIMGテニスアカデミーに渡った若手の一人に西岡良仁という選手がいました。期待のジュニアとして順調に成長した西岡は13年の全日本選手権でいきなり準優勝するという快挙を果たし、そのままジュニアを卒業してプロの世界に飛び込んできます。  全日本選手権のときは500位台だった西岡ですが、フューチャーズやチャレンジャーで順調に実績を積み上げぐんぐんランキングを上昇。昨年の全米では予選を突破し18歳にして初のグランドスラム参戦を果たしました。だが初めての大舞台はほろ苦い結果となりました。体調を崩してしまった西岡はまだグランドスラムで一度も勝ったことのなかったロレンツィに成す術なく敗れ、GS初勝利を献上してしまったのでした。とても悔しかったことでしょう。  それでも大会後のランキングで初めてトップ200に入った西岡。上海でCH大会初優勝を達成すると、アジア大会の代表にも選ばれた西岡は決勝で当時世界ランク37位、第1シードのルー・イェンシュンをストレートで撃破する快挙を達成、日本に金メダルをもたらしたのです。その勢いは止まらずランキングを上げ続け、年度末のランキングでは153位に食い込みました。  有望10代の一人としてATP公式サイトでもとりあげられ、期待が高まる中で迎えた2015年、西岡は全豪予選で2回戦敗退に終わるなど波に乗り切れないシーズン序盤でした。ちょっと苦しんでるかなという印象を受けていたのですが、迎えたデルレイビーチの予選では初戦2回戦とフルセットにもつれ込んだ接戦を制し勢いに乗りました。予選決勝をストレート勝ちして全米以来2度目のトップレベル参戦を果たすと初戦ではオランダの世界ランク133位(ただし先週のランキング89位、キャリアハイは52位)のサイスリングをストレートで撃破。今朝行われた2回戦に勝ち進むと第2シード・イズナーを破ったマトセビッチと対戦しました。画像は1回戦勝利後にコキナキスらほかの10代選手と写真に納まる西岡です。 .@TKokkinakis, #Nishioka and @AndreyRublev97 win - first time since '07 Indy 2R #ATP 32 draw includes three teens. pic.twitter.com/t11PJufoSA— Delray Beach Open (@DelrayBeachOpen) 2015, 2月 17  トップ100に当てはめると2番目の低身長となる171cmの西岡は、その小さな体を目いっぱい使ってサウスポーからストロークを繰り出しました。第1セットは3度ブレイクを奪って圧倒。第2セットはマトセビッチに先にブレイクを許したもののすぐにブレイクバックに成功し、その後お互い譲らぬ激戦となりました。1ゲームごとに厳しいゲームとなりましたが西岡は辛抱強くサービスキープを続けます。迎えた第8ゲーム、30-0とされた場面で西岡がバックでトップスピンロブを決めるとマトセビッチが崩れ一気に西岡が逆襲しました。デュースからBPを握るとマトセビッチはネットに出てバックボレーを決めましたがイージーなボレーがなんとアウトになり西岡がブレイク!最後のゲームを落ち着いてキープし西岡が見事勝利を収めました。  10代でのベスト8達成はこの1年間で4人目となりました。キリオス(全豪、ウィンブルドン)、コリッチ(バーゼル)、ズベレフ(ハンブルク)に続いたのです。今後さらなる期待がかかるでしょうし、自分も大いに期待したいと思います。ですがその前にまずはトミッチと対戦する準々決勝です。7年前の錦織はF・マイヤー、クエリー、ブレークという第5・3・1シードを全て粉砕して掴み取った頂点でした。もちろん錦織と比べるのは酷ですが、西岡にもこれで満足せずさらに上のラウンドを目指してほしいと思います。ちなみに錦織以外の日本人選手がツアーのベスト4に入れば12年アトランタの添田以来となります。 デルレイビーチ61.63で勝ちQFです! 全米以来の本戦で初めてのQFです! ほとんどミスがなく攻めるところはしっかり攻めてかなり良かったと思います 明日もこの調子で明日も頑張ります! 写真は朝に撮った写真と試合後です pic.twitter.com/mARKvRV7K4— YOSHIHITO NISHIOKA (@yoshihitotennis) 2015, 2月 20