今年のマレーは以前にも増して上手くロブを使いこなしています。全豪とロッテルダムで今年マレーの試合を見ましたがどの試合でもロブを繰り出しポイントをもぎ取っているのが印象的です。今年マレーが打ち上げた見事なロブの数々を見てみましょう。 How to play the running lob, by Andy Murray http://t.co/PlkK1nV5of— TennisTV (@TennisTV) 2015, 2月 13  ロブにはフラットロブ、スライスロブ、トップスピンロブと大きく分けて三種類ありますが、マレーが打っているのはトップスピンロブ。ロブの中では最も攻撃的なショットで、上手く使えば劣勢を一発でひっくり返すことができます。全豪でも効果的に使用し、キリオスやベルディヒを要所で封じ込めました。まるでお手本のようなプレーの数々です。 【全豪】 キリオス戦タイブレークのトップスピンロブ2本(1本目、SPで決めた2本目) ベルディヒ戦第2セット、劣勢からトップスピンロブ1本で形勢逆転 ジョコビッチ戦、ランニング・トップスピンロブで見事挽回。 【ロッテルダム】 1回戦、マウー戦のトップスピンロブ 2回戦、ポスピシル戦のロブ  トップスピンロブは他のトップ選手達ももちろん使用します。もっと追い詰められたときはフラットロブやスライスロブを打ちますが、これはトップ選手にとっても難しいプレーです。たいていはスマッシュやグランドスマッシュの餌食となってしまいますが、自分も体勢を立て直すことができるので、相手の再攻撃をきっちり返すことができれば非常に面白いラリーとなります。例えばこんなプレー。 2012年上海準決勝 マレーVSフェデラー  マレーがボディに来たボールをうまく当てて見事なロブで返しています。その後逆に追い詰められたフェデラーが今度はスライスロブでうまく逃げています。両者とも素晴らしいラリーです。  プロが効果的なプレーとして使うロブにはトップスピンロブともう一つ、ネット際に落とされたときに拾い上げて頭を抜こうとするプレーがありますね。これはよく見られる光景で、ネット際では非常に効果的な逆襲です。頭を抜いてポトリと落とすのでネットに詰めていた選手としてはたまりません。 2013年パリ準決勝 ジョコビッチVSフェデラー  ジョコビッチとマレーは非常にロブをうまく使います。この二人は守備を極限まで極めていると言ってもいいでしょう。 【おまけ】  最後にフェデラーによる信じられないロブを紹介しておきます、2008年全米準決勝で見せたスマッシュロブです。