日本時間の昨日の朝行われた男子テニスのメンフィスOP決勝で、 大会3連覇を目指していた錦織圭が南アフリカのケビン・アンダー ソンにセットカウント2-0で勝ち見事に優勝を果たした。  この大会で錦織は準決勝まで全て1セット目を奪われるという 苦しい試合を凌いでおり疲労が心配されたのだが、さすがに決勝 ではストレートで快勝し世界ランキング5位の実力を示した形に なった。  この大会の優勝は錦織にとって大いに価値のあるものだ。  まず先の全豪OPで判明したように世界ランキング5位に入って 4大大会での優勝が近いうちに確実視されている錦織に対し、 各国の対戦相手は錦織を徹底的に研究し立ち向かって来る傾向 がハッキリした。  つまり錦織の対戦相手は これまでの自らの力を100%全開で 攻めてくるだけでなく自らの長所を潰してでも、錦織の長所を 消そうとするのだから厄介な事だ。  また優勝をも期待された全豪OPでベスト8敗退した事により メンタル的に落ち込んで今大会に集中できるかどうかという 要素も懸念材料ではあった。  実際に1回戦から錦織は毎試合1セット目を落とすという内容 的には拙い試合を続けていたのだが、ここでしぶとく粘って 勝ちを拾い決勝では遂に地力を発揮しての優勝だから これ までとは全く違った意味を持つ優勝という事になる。  誰でも好調なときには素晴らしいパフォーマンスを発揮する のだが不調に陥った時に最低限の結果を残せるかが、世界の トップ3を目指す選手の真価が問われるわけだ。  だが先述したように今大会を迎えるにあたってマイナス材 料が多い中でも何とか凌いで勝ち進み見事に優勝したので、 これこそが世界のトップ5の力だし更なる上を目指す資格が ある事を世界に知らしめた貴重な優勝だった。