(錦織参戦するメンフィス大会の展望とロッテルダム大会の展望については明日掲載予定)  今日、中国で行われていた女子の国別対抗戦・フェドカップのアジア・オセアニアグループⅠの決勝が行われ、日本がカザフスタンを破って見事優勝を果たしました。  日本は4カ国で行われたグループリーグで韓国と香港、ウズベキスタンを全てストレートで下して1位通過、決勝でカザフスタンと対戦すると土居美咲と奈良くるみが連勝して優勝しました。優勝した日本はワールドグループ2部への入れ替え戦に進出することができます。決勝戦のレポートはTENNIS DAILY様に掲載されているようです。 Kurumi Nara d. @SlavaSays to give Japan a 2-0 win over Kazakhstan + secure their place in the #FedCup WGII play-offs! pic.twitter.com/49CTZoxwxA— Fed Cup (@FedCup) 2015, 2月 7  ここまで読んで、ワールドグループに2部なんてあるのか?と疑問を持った人がいるかもしれません。男子の国別対抗戦・デビスカップには2部なんてものはないからです。実は同じITFの運営で行われているにもかかわらず、デビスカップとフェドカップでは微妙にルールが違います。混乱しないように、一度おさらいしておきましょう。デビスカップの復習にもなるはずです。 【リーグ階層】 まず男子。  ワールドグループ(以下WG)を16か国のトーナメントで戦い優勝を目指します。初戦敗退した8カ国がプレーオフに回されます。一方地域リーグはそれぞれが階層性になっており、トーナメント勝者が上の階層に自動昇格、また敗退国が負け上がる逆向きのトーナメントも実施して何カ国かが下の階層に自動降格します。地域リーグ一部で勝ち上がった国(アジア・オセアニアから2か国、南北アメリカから2か国、ヨーロッパ・アフリカから4カ国)は入替プレーオフに進出しWGで初戦敗退した国々と激突、WG参入を目指します。  男子はずっとアジア・オセアニアの一部で戦い続けてきましたが、2011年のプレーオフでインドを破って26年ぶりにWG参入を果たしました。このときは一年で降格してしまったものの、13年のプレーオフでコロンビアを破って一年でのWG復帰を達成。昨年は史上初めてWGで初戦を突破してベスト8の成績を残し、今年もWGで戦います。今年の初戦は3月6~8日に敵地で行われるカナダ戦です。 次に女子  ちょっと男子より縦に長い階層となっています。女子にはワールドグループの二部があるのです。二部は特殊な構造をしていて、8カ国が1回戦のみを戦い、勝った4カ国がWG一部の初戦敗退国と入替え戦を、負けた4カ国は地域リーグ一部の勝者4カ国と合わせた計8カ国で入替え戦を戦います。入替戦WG一部に昇格するとここで初めて8カ国によるトーナメントが行われここで優勝を目指します。  地域リーグの男子はトーナメント制でしたが女子は違います。グループリーグの総当りで勝者を決め、グループリーグ勝者同士がさらに戦って優勝すなわち入れ替え戦進出国を決めるのです。アジア・オセアニアから1カ国、南北アメリカから1カ国、ヨーロッパ・アフリカから2カ国がプレーオフに進出します。  日本女子は1997年までは常にWG一部(WG分割前も含めて)に在籍しており、1996年には伊達公子がグラフを破るなどしてドイツに勝利、最高成績となる準決勝にまで進出しています。直近は13年WG1部→14年WG2部→15年アジア・オセアニア一部と推移中。なんとか一年でWG2部へ復帰したいものです。 【レギュレーションの違い】  対戦の仕組みもちょっと違うので注意が必要です。デビスカップはシングルス2本→ダブルス→シングルス2本の順番で三日間に分けて戦いを繰り広げます。一方フェドカップはシングルス2本→シングルス2本に続いてダブルス、の順で二日間を戦うのです。なお今回日本が戦った地域リーグは簡略化されていて、シングルス2本の後すぐダブルスを行う1日3本勝負で戦いました。  グランドスラムと同様に男子(デビスカップ)は5セット、女子(フェドカップ)は3セットで戦います。最終セットはタイブレークなしなのは両者とも同じです。