ということで全豪ドロー展望です。 もう既にドロー自体は出ているんですが、 先にどの選手に当たりたくないか順を並べていってから ドローの内容については書いていきたいと思います。 錦織選手は第5シードなので、3回戦の対戦シードは25-32シード、 4回戦は9-12シード、QFは1-4シードということになります。 なお、シードに関しては第5シードなら第4シードと当たる といった決まる事があるわけではないことを先にご留意下さい。   25-32シード シャーディ>>ベルダスコ=クリザン≧ロソル=Lメイヤー ≧ヒラルド=ベネトー>クエバス 9-12シード フェレール>>ディミトロフ>グルビス≧Fロペス 1-4シード フェデラー≧ジョコビッチ=バブリンカ>ナダル   まず、25-32シードに関しては、チリッチとツォンガのウィズドロー により、カルロビッチとガスケが17-24シードに繰上となっている 点が非常に大きいです。 ガスケは錦織から見た際、相性の悪さ、苦手意識が最も強い相手であり、 カルロビッチはドーハでジョコビッチを破ったように好調なら どんな相手でも退ける実力のある選手です。 これらの選手との対戦可能性が無くなったことから25-32シードは 気楽に見れる組み合わせになりました。唯一避けたい相手として シャーディが居ましたが、今回は上手いこと対戦しないですんだので ラッキーです。 次に9-12シード。避けるべきはフェレール一択です。逆に言えば 他の選手なら誰でもOKであり、4分の3の確率で悪くないドローに なるはずでした。ええ、なるはずでした。 そして1−4シード。ここは逆にフェデラー、ジョコビッチ、 バブリンカという3選手を避けたい選手として挙げています。 とはいえさすがに4分の3なら、避けようも無い確率なので、 これに関しては仕方のない面もあります。 できればあまり結果の出ていないナダルを引きたかったというのが 正直なところですが、GSに急にピークを合わせてくる可能性も 無くはないので、1-4シードは誰が当たっても厳しいドローになる というのが間違いないので、ここのドロー運は仕方がありません。   よって、今回ドローで最重要なのは9-12シードの引き(4分の1)です。 あとは25-32シードでシャーディを引かないこと(8分の1)、 可能なら1-4シードでナダルを引くこと(4分の1)の3点がポイント となります。 これらを踏まえて錦織選手のドローを見てみましょう。 なお錦織選手のドロー運は毎回さほど良くないと前置きしておきます。 また、最有力選手を左側に、次に可能性のある選手を右にという感じで 並べており、括弧書きの選手は可能性低いが無くはないという意味で 載せています。   R128:アルマグロ R64:ドディグorソウザ R32:ヒラルドorジョンソン R16:フェレール(orシモン) QF:バブリンカ(orドルゴorクエリー) SF:ジョコビッチ(orラオニッチorモンフィス) F__:フェデラー(orマレーorナダル)   そうか、そうくるのか。 とりあえず、初戦のアルマグロは実績のある選手で錦織も度々 負けている選手であり、今回の迷惑ノーシードランキングにも載る選手です。 ですが、復帰明けの選手であり、そこまで状態が戻っているようでは無い ことから、ここは第5シードとしてしっかり勝ち切る必要があります。 2回戦3回戦は今の錦織なら勝たなければいけない選手なので省略します。 4回戦。ええ、4回戦。一番引いちゃいけないところを引いてくるのが さすが錦織選手を思わざるをえません。名勝負の神に愛されてます。   準々決勝。可能ならナダルを引きたかったところでした。バブリンカの 今の調子と相性的な面も加味すると、ジョコビッチよりもやりにくい 相手です。 全米で勝っているじゃないか、という意見もあると思いますが、 あの試合も実力で押される錦織が、どうにかこうにか凌いで 唯一のチャンスを逃さず勝ったというのが率直なところです。 「急にマッチポイントが来たので」という発言に全てが込められています。 あのような試合をもう一度やれと言われても、正直厳しいと思いますが、 ただ、錦織選手のシード上、この試合まで勝ち上がれば合格と 言っていいので、後はご褒美と思って気負わず対戦したいところです。   準決勝。正直、今回のドローではここまで勝ち上がる見込みが少ないので 現状言うことは無いです。 あえて言えば、ジョコビッチと準決勝で当たった際の戦績は2勝1敗。 1敗もファイナルのジョコビッチを崩し切ってからの負けなので、 対戦するタイミングは悪くないと言えます。 決勝。フェデラーかマレーの2択だと思いますが、フェデラーと グランドスラム決勝を戦えるなら錦織選手としても感慨深いものがある はずです。ということでフェデラーには是非とも頑張っていただきたい ところです。   以上の流れとなっています。 大体文面見ても分かると思いますが、錦織選手の勝ち上がり予想は QFでバブリンカ選手に1-3負けといったところです。 現状の実力で言えば、そう何度も勝てる相手では無いので、 フェレール戦に全力を費やして勝ち上がった結果、万全のバブリンカ に押し切られるというところかと思います。   さて、錦織選手のドローは大分厳しいドローとなっていますが、 ここで、全体のドローを見た上での勝ち上がりを予想してみましょう。   R16 ジョコビッチvsイズナー、モンフィスvsラオニッチ バブリンカvsドルゴ、フェレールvs錦織 ベルディヒvsコーリィ、ガスケvsナダル マレーvsディミ、ロブレドvsフェデラー QF ジョコビッチvsラオニッチ バブリンカvs錦織 ベルディヒvsナダル マレーvsフェデラー SF ジョコビッチvsバブリンカ ナダルvsフェデラー F ジョコビッチvsフェデラー ジョコビッチ優勝といったところでしょうか。 上記勝ち上がり予想を見て突っ込みどころ満載だと思いますので 一点一点説明していきます。 まず、ナダルは前哨戦良くないとあれだけ前置きしていたのに 何故SFまで勝ち上がる計算なのか、という点です。 単純です。ナダルに勝てそうな選手がナダル山に居ません。 例えば対抗シードがベルディヒですが、これが仮に錦織、ラオニッチ、 マレーならナダル負けを予想していました。 全豪時点でナダルがどれぐらい調子を戻しているかにもよりますが、 この3名なら絶不調のナダルなら退けられるぐらいの実力は 持っていると言えます。 しかし、ベルディヒに関して言えば安定感もあり、どのコートでも 勝てる選手ではありますが、如何せんナダルとの対戦成績が良くないです。 錦織やラオニッチはナダルに一度も勝ててはいませんが、 波に乗りに乗っている選手であり、現状のベルディヒに比べれば 期待が持てます。芝ならまだ期待も持てたのですが、遅いハードである 全豪では相性通りの結果になるとしか予想できません。 ということで、ナダルは不調のままSFまで勝ち上がるという計算であり、 なので、相性を言えば最高に近いフェデラー相手であっても、 きっちり仕上げてきたフェデラーに普段の調子を出せず負けるという計算です。 まあ正直絶不調でもフェデラーに勝ちそうなんですが、 そこはフェデラー贔屓ということにして置いてください>勝ち   後は優勝ジョコビッチの理由ですが、ジョコビッチは全豪相性良いですし、 バブリンカにも昨年のリベンジがあるのできっちり勝つはずです。 そしてバブリンカに勝てるだけの状態なら、フェデラー相手も優位に 進められるという判断です。 これが準決勝でジョコビッチvsフェデラーという状況なら フェデラー勝利を予想していましたが、 決勝ジョコビッチは中々崩れてくれないので、優勝予想としました。 フェデラーはナダルが絶不調、マレーが全盛期ほどの状態までは 戻っていないという条件なら、ジョコビッチ以外にはそう負けないでしょう。 あくまで最近の好調フェデラーがそのまま続いているという前提 ですが、優勝候補の枠組みに入ってきている錦織やラオニッチに対しても 相性の良さがあり、五分以上の勝率が見込めます。 マレーはかなり好調のようですが、33歳にもなって万全の状態を 整えてきているフェデラーに勝つには、マレーもまた全盛期並みの 状態を取り戻す必要があるはずです。   これらの状況を勘案し、ジョコビッチ優勝を予想しています。 まあ、実際本戦が始まってみないことには各選手のコンディションも 分からないので、その中で錦織選手がきっちりピーキングを 合わせてくることを期待する以外ありません。