ブリズベンでは錦織がダブルスに出場します。ペアは独特なフォームやトリッキーなプレーで知られるドルゴポロフ。今日から早速試合が組まれており、第2シードのボパンナ・ネスター組に挑戦します。しかしシングルスのトップ選手は何故ダブルスに出るのでしょうか。 ①大会側に出てほしいと頼まれての出場  スター選手の試合は1試合でも多く見たいものです。ということで特に250や500の大会で多いのですが、大会側がダブルスの出場をお願いすることがあります。錦織が過密日程にもかかわらず昨年の楽天オープンで内山とペアを組んで出場したのもこのケースに当たります。同じ週にはナダル、ジョコビッチ、ベルディヒらが北京でダブルスに出ており、これも大会側から要請を受けての出場と考えて間違いないでしょう。  記念出場な選手も多いですが、デビスカップの調整を兼ねていて本気モードだったり、もしくは息が合って連勝街道に乗ってしまった場合にはまさかの快進撃が起こることもあります。最も大規模なマスターズで「第5のグランドスラム」とも呼ばれるインディアンウェルズでは近年多くのシングルス選手がダブルスに出場しています。この大会ではナダルがダブルススペシャリストのM・ロペスと組んで2度の優勝を果たしていますし、ロディックも優勝経験があります。昨年はフェデラー・バブリンカ組がベスト4まで進んでいます。 ②ダブルスでもいいから1試合でも多く実戦を積みたい  この全豪前哨戦は多くの選手がダブルスにも出場します。オフ明けの選手達が1試合でも多く実戦をこなして全豪に向けて仕上げていく必要があるためです。ブリズベンのダブルスにはラオニッチやディミトロフもいます(ちなみにフェデラーは出場を要請されたものの断ったようです)し、ナダルやジョコビッチもドーハでダブルスに出ます。また同様の現象は芝の前哨戦でも起きます(1大会だけで芝に慣れてウィンブルドンに臨む必要があるため)。ちなみにこのケースの多くは①の要件も満たしていますので、①の理由で出るか②の理由で出るかはおそらく選手によって異なるのでしょう。 ③デビスカップ、オリンピック  シングルス選手とダブルス選手がガチでぶつかり合う貴重な機会がオリンピックやデビスカップ。北京五輪ではフェデラー・バブリンカ組とダブルスの最強ペア・ブライアン兄弟が準決勝で激突しなんとフェデラー組が勝利!そのまま決勝も制して金メダルも獲得しました。逆に4年後のロンドン五輪では雪辱を期すブライアン兄弟がベネトーやガスケ、ツォンガといったフランス勢を準決勝決勝と連破し金メダルに輝いています。  ダブルス選手が戦術やボレーに長ける一方で、シングルス選手はサーブやストロークに勝ります。即席ペアがガンガン強打を叩き込んで強引に押し切るか、熟練ペアがダブルススペシャリストの意地を見せるかが見所となるでしょう。 【おまけ:トップ選手はダブルスも強いのか?】  これは人によります。例えばジョコビッチははっきり言ってヘタです。でもフェデラーやナダルは器用にこなします。二人はともに8つのダブルスタイトルを持ち、フェデラーは1回、ナダルはなんと3回もマスターズを制しています。また若いころはグランドスラムでもダブルスに参戦しており、フェデラーはウィンブルドン8強、ナダルは全米ベスト4の実績を持っていたりします。  ちなみに日本にダブルススペシャリストがいないせいもあり、錦織も多分日本人男子で一番ダブルスが上手いです。日本はなんとかダブルスを強化して、デビスカップにおける錦織の負担を減らしてやりたいものです。 【デビスカップ 現地より】錦織&内山ペアが、ネスター擁するカナダ・ダブルスチームからファーストセットを奪いました!素晴らしいです!⇒http://t.co/QUhjyuCAiQ #wowow #tennis #テニス #錦織圭 pic.twitter.com/zzlFDykXdA— WOWOWテニス (@wowowtennis) 2014, 2月 1 (写真はデビスカップ1回戦でダブルスを戦う錦織。この試合はセットカウント3-1で勝利し日本に貴重な1勝をもたらしました。)