By the numberはまだ続きます。初回でお送りしたタイトル数に続いて今度はマッチ勝利数(何回試合に勝ったか)の特集となります。原文はこちらからどうぞ。 ★2014年通算勝敗・勝率  見事勝利数1位の栄冠に輝いたのはフェデラーでした。フェデラーと言えどもシーズン73勝したのは92勝した2006年以来のことなのです。2012年の72勝12敗すら勝利数勝率ともに上回っています、試合数85ももちろん単独トップで、今年33歳にしてこの復活ぶりには言葉も出ません。年末順位のTOP10フィニッシュ13回目はレンドルに並ぶ史上3位の記録となり、33歳4ヶ月での2位フィニッシュはアガシを抜いて史上最年長となっています。  一方88%もの勝率を記録してこちらで見事1位に輝いたのはジョコビッチ。ジョコビッチは3回目の年間1位フィニッシュとなりナダルに並びました。もう上にいるのはわずか5人、マッケンローとレンドル(4回)、コナーズとフェデラー(5回)、そしてサンプラス(6回)のみです。  勝利数の3位には後半戦怒涛の追い上げを見せたマレーが入っています。ちなみに全米終了時のマレーは38勝でした。そこからわずか2ヶ月間で21勝(5敗)を積み上げたことになります。  一方怪我や病気もあって勝利数は伸びなかったものの勝率3位に入ったのはナダル。勝率8割を記録したのはこの上位3人のみ、やはりこの3人がまだ頭一つ抜けていると言い切ってよいのでしょう。ちなみにフェデラー、ナダル、ジョコビッチの3人とも年末トップ3に入ったのは意外にも3年ぶり。07年~11年と5年連続で続いた鉄板のメンバーが今年再び揃ったのでした。  そして、我らが錦織がマレーに5%近い差をつけて勝率4位をマークしています!勝利数も4位ベルディヒと1勝差の5位タイ。世界ランク5位は伊達ではありません。先の記事で取り上げたタイトル数でも、そして今回の勝利数勝率でもしっかりトップ5。データを見ればみるほど来年への更なる期待が膨らむというものです。  勝利数50勝を記録したのはディミトロフまでの7人。またシーズン通しての勝率7割越えはモンフィス(36勝15敗)までの10人となっています。そんな中勝率順に選手を並べた時目についたのはデルポトロ(7勝3敗)でした。やはりツアーは彼がいないと駄目でしょう、来シーズンの復活が望まれます。 ★サーフェス別の勝利数ランキング。  やはり強いBIG4。各コートでそれぞれの強さが存分に表れています。その中にあって芝でのF・ロペスやディミトロフの活躍は光ります。 錦織は今回クレー、ハード双方で文句なしの勝率3位。ここでも世界5位の実力をしっかり証明する結果に。 ★グランドスラム勝敗  全グランドスラムで準々決勝まで辿り着いた場合16勝4敗の勝率80%となり、全グランドスラムで準決勝まで辿り着いた場合20勝の大台に乗ります。BIG4は相変わらずの数字を残し全員勝率8割を越えてはいるものの、4人全員20勝以上の2011年から比べるとさすがに数字は落ちてきています。その中で唯一20勝以上を記録したジョコビッチはこれで4年連続20勝としています、流石。  こちらのランキングでは錦織の順位は9位T。全豪とWBはベスト16で全仏初戦敗退なのでこの順位は妥当でしょう。しかし来年は違います。怪我さえなければ16勝越え~20勝近くが現実的ラインとなってくるのではないでしょうか。 ★マスターズ勝敗  ジョコビッチとフェデラーの2強が他選手から大きくぶっちぎってのワンツー。1年間通してMSで勝ち続ければポイントもそれに伴ってグングン増えます。錦織はモンテカルロ、ローマ、トロント、シンシナティと多くのMSを休んだ影響で勝利数は伸びませんでした。しかし勝率はなんと3位。ナダルやフェレールよりも上という堂々たる勝ちっぷりを見せてくれています。来年は一年通しての活躍に期待です。 上位陣が順当にランクインする中で一人異彩を放つのがベネトー。今年17勝7敗勝率7割越えの大活躍、32歳にしてのキャリアハイ更新を実現させる原動力となりました。2度のベスト4を記録したF・ロペスがしっかり表に入ってきており、フェデラーを加えた1981年組3人が大いに暴れてくれた今年のマスターズでした。 ★その他  本文では他にもいくつか「条件別勝敗」が紹介されていますがこちらは既に紹介済みの“Best Under Pressure”と被るところが多いので、紹介は当時の記事に譲ることにします。今回記事を作っていて驚いたのは本当にどんなランキングにも錦織が顔を出していること。年末ランキング5位なのですから名前がたくさん出てくるのは当然なのですが、今日改めて錦織の達した高みを実感することになりました。来年の更なる飛躍に期待です!