こんばんは。 最近の若者のはやり言葉で言うと、進捗いいです! というわけで連日投稿は現実味を帯びてきました。よかったよかった。 一応23日まで連投すれば借金返済のようです。まあ年末年始にそんなに書きたくないので(というよりも1年を振り返ったり1年の初めの言葉であったり別のことを書きたいというのが本音です)、もう少しペースを上げたいと思います。 さて今日は今後のテニス界を担っていく期待の星、「Young Guns」の紹介です。 ATPが公式的に世代交代を促すというのは今回に始まったことではありません。 サンプラス、アガシが長期的に全盛期だった時代には今のフェデラーらベテラン世代のことを「New Balls」と称し売り出してその後世代交代に成功しました。 まあ長期政権が続いているわけですからそんなことしなくても正直いつかは世代交代するんでしょうが、ある種ビッグ4時代というのは特に序盤ラウンドでのスリリングさにかけるという悪い面も出てしまいます(その分準決勝と決勝が毎回神試合だったのでどっちもどっちなんですけどね)。 序盤から勢いのある若手が上位に挑むほうがやはり構図として盛り上がりますよね。そういう組み合わせを生み出すためにいろいろ考えているみたいです。 実際の出生年区分としては89年生まれ以降の世代に対して使われているようです。89年生まれで活躍しているのが錦織のみで、誕生日が12/29なので、実質90年以降の選手のことを指すともいえます。チリッチ、デルポトロ、ガルビスは88年生まれだったのと活躍の始まりが結構早かったので外されています。錦織もどっちかというとこっちのグループな気はするのですが、まあこうなってる以上はいいんでしょう。 錦織圭 島根県松江市出身 24歳 5位 最高ランク5位(現在自己最高位) グランドスラム最高…決勝(14全米) 2014年の主な成績 グランドスラム 全豪4R 全仏1R ウィンブルドン4R 全米F バークレイズ・ATPワールドツアーファイナルズ S マスターズ マドリードF マイアミS パリS 500以下 バルセロナW 東京W メンフィスW クアラルンプールW 新世代「Young Guns」の中でも珍しいストローカータイプ。ビッグサーブを持たずともラリーでどの相手でも互角以上の力を発揮し、リターンからゲームを作っていける選手。 現代の高速テニスでは数少ないベースライン上でプレーし、左右への素早い振り回しなど多彩な攻めで翻弄する攻撃的なテニスが持ち味です。このプレーを見てみましょう。 マドリード決勝 対ナダル 3球目のナダルのボールは深いので、これを下がって甘いボールを打つと次のボールでナダルのフォアが炸裂してしまいます。 しかしこれを跳ね際で難なく(!?)返してしまうとこれがナダルの意表を突き、コースはついているものの甘いボールになり、錦織から体重の乗ったバックハンドが返ってきます。 その後丁寧にコーナーを突いて再び主導権を握るナダルですがここで錦織がスライディングのディフェンスでライン際に返し、次の攻撃を許しません。 そしてフォアの打点が合わず軽いミスショットになったところで一気に攻守反転。左右に振り回すとあえてナダルのいるほうに打ったボールが効いてチャンスボールに。これを落ち着いて決めます。 上位を打ち破る力では「Young Guns」トップで、今期はナダルに肉薄2回、ジョコビッチ、フェデラー、バブリンカにも1度ずつ勝利と、今若手世代で最もグランドスラム制覇に近いといっていい選手です。 ミロス・ラオニッチ カナダ出身 23歳 8位 最高ランク6位 グランドスラム最高…準決勝(14ウィンブルドン) 2014年の主な成績 グランドスラム 全豪3R 全仏Q ウィンブルドンS 全米4R マスターズ パリF ローマS シンシナティS インディアンウェルズQ マイアミQ モンテカルロQ カナダQ 500以下 ワシントンW 東京F サーブのみならカルロビッチやイズナーも負けていませんが、この選手はサーブからの攻撃力という面でATP全体でもトップの力の持ち主です。 サーブからの3球目攻撃は完成されており、一度はまると本当に手が付けられなくなります。 またフォアハンドに関しては確率では落ちるものの、入ってくると威力の強い効果的なボールを放つことができ、簡単に崩れなくなりました。 錦織とは今期1勝3敗で終わりましたがその試合はすべて僅差。苦手だったビッグ4にもフェデラー、マレーに土をつけ今後の期待が高まります。 グリゴール・ディミトロフ ブルガリア出身 23歳 11位 最高ランク8位 グランドスラム最高…準決勝(14ウィンブルドン) 2014年の主な成績 グランドスラム 全豪Q 全仏1R ウィンブルドンS 全米4R マスターズ ローマS カナダS 500以下 アカプルコW ブカレストW クイーンズW ストックホルムF フェデラー2世の呼び声が高く、テニスセンスは若手トップ。感覚でテニスをプレーしすべての分野で穴がないオールラウンドプレーヤーです。 片手バックハンドはフェデラーのそれに酷似。ある種フェデラーの影響を最も強く受けている選手と言ってもいいかもしれません。 今年は初めてグランドスラムの4回戦以降の壁を突破し、トップ10に到達。トップ10入りはブルガリアの選手として初めての快挙です。 なお女子テニス界でトップに居続ける美人グランドスラマー、シャラポワの交際相手としても知られています。一応イケメンの分類を受けるらしいです(著者は欧州人の顔の好みがわからない…)。 ロベルト・バウティスタ=アグト スペイン出身 26歳 15位 最高ランク14位 グランドスラム最高…4回戦(14全豪、14全米) 2014年の主な成績 グランドスラム 全豪4R 全仏3R ウィンブルドン3R 全米4R マスターズ マドリードS 500以下 スヘルトーヘンボスW シュツットガルトW モスクワF 年齢的には26歳ですがこっちに入れました。 昨年から急速にランキングを上げ今年の「Most improved player」に選ばれました。 ビッグサーブは持たず、実直なストローカータイプの選手。そつのないプレーが特徴で全サーフェスをしっかり戦えるスペインには珍しいタイプの選手です。 トップ20の中では比較的地味と言われますが、個人的には好きなプレースタイルです。 デービッド・ゴフィン ベルギー出身 24歳 22位 最高ランク22位(現在自己最高位) グランドスラム最高…4回戦(12全仏) 2014年の主な成績 グランドスラム 全豪不出場 全仏1R ウィンブルドン1R 全米3R マスターズ以下 キッツビュールW メスW バーゼルF 7月まではチャレンジャーレベル。しかしこの数字を見てわかるとおり7月からは信じられない成績で現在もランキング上昇中の選手です。 この選手、これが初の快進撃ではありません。初めてのグランドスラムだった12年全仏では予選決勝敗者の特例ルール、ラッキールーザーから4回戦まで進み、フェデラーに1セットを奪う大健闘を見せました。その後けがもあって下降、全豪が不出場になっているのはこの影響もありましたが、まず104位以下で自動DAにならなかった(=0pがつかなかった)という表れでもあり、そこから一気に駆け上がってきたという名誉のようなものでもあります。 7月に3週連続チャレンジャー優勝すると、翌週のキッツビュールでも勝って実質4週連続優勝。さらにメスで優勝、バーゼルではラオニッチ、コリッチを破って決勝へ進出。まだまだその実力は計り知れない大器です。 しばらくはランキングの上昇が続くので、今シーズン中にはグランドスラム上位シードもあるかもしれません。 ドミニク・ティエム オーストリア出身 21歳 39位 ティエムの今シーズンのハイライトはマドリードでしょう。直前のモンテカルロで優勝していたバブリンカを破る大金星。若いころから期待され、ATPツアーでもワイルドカードをもらっていましたが、ついにその力を見せ始めました。 ジャック・ソック アメリカ出身 22歳 42位 低迷するアメリカ男子にとって期待の選手です。 典型的なハードコートを得意とするサーブ主体の選手。しっかり基本に忠実に回転をかけていく豪快なフォアハンドが魅力です。 今シーズン序盤はけがで欠場することが発表されており、少し不安です。 次のポスピシルとはウィンブルドンで即席ダブルスを組み優勝。ブライアン兄弟を決勝で倒し今後ダブルスでの活躍も期待されます。 バセク・ポスピシル カナダ出身 24歳 53位 ラオニッチ同様、カナダ期待の若手選手です。 2013年に地元カナダMSで当時無名選手だったにもかかわらず4強入り。準決勝でラオニッチとの同国対決を実現させました。 今年は前半戦でけがのため成績が落ち込みましたが、ワシントンでは決勝進出。再びラオニッチとの対決を実現させ、ツアー決勝での初のカナダ人対決となりました。 ダブルスがうまいのは母国の大先輩、ダニエル・ネスターとデ杯でダブルスを組んでいたからだと思われます。 ニック・キリオス オーストラリア出身 19歳 52位 今年のウィンブルドンでの衝撃は忘れられません。ウィンブルドン初出場で大型選手らしいパワフルなテニスでガスケ、ナダルを撃破。ラオニッチにも1セット取り初のベスト8。 10代らしい粗さ、もろさはまだ残っていますが、伸びしろは十分。トミッチが低迷しているだけに母国の大先輩ヒューイットに並べる逸材と期待されています。 ボルナ・コリッチ クロアチア出身 18歳 96位 つい最近18歳になったばかりのコリッチ。ジュニア時代から期待されていましたが今期は本格的にツアーに参戦し、立派な結果を残して最年少トップ100になりました。 バーゼルでは17歳にしてナダルを破りベスト4。潜在能力の高さがうかがえます。 今回はここまでです。いやー苦渋のカット連発で悲しいです。 書きたいんですけど書き出すと終わらなくなるというジレンマでいろいろ選手をカットしました。 カットした選手だけ羅列しておきます。 ロソル、ジョンソン、ヤノヴィッツ、カレノ=ブスタ、デルボニス、ベズリー、ラジョビッチ、ズベレフ 気になる方は自分で調べてください。来年来る可能性のある逸材たちです。 やはり実力があるビッグ4同世代たちが少しずつ年を重ねていく中で、このように下の世代がより戻しとして一気に来ています。 10代トップ100がいなかった時代もあったくらいですが、こうしてキリオスやコリッチ、さらには100位以下にはズべレフなどもいて、ずいぶんと若くなったという印象です。 次回からは単発の内容です。ランキングの試算はまだかって?違うんだ、チャート2015ver.がまだできてないんだ…