ATP公式サイトの年末特集第5弾は「Upsets Of 2014」。アップセット、いわゆる番狂わせが起こった試合のTOP5をATP編とGS編に分けて紹介するというものです。まずATPのほうから発表されたので早速見ていくことにしましょう。原文はこちらから。 5位:モスクワ2回戦 ベランキスVSラオニッチ スコア(6-3, 4-6, 6-3)  ラオニッチのモスクワ参戦は最終戦争いの真っ只中ということで注目されました。前週の上海で高熱を出してしまい棄権負けに終わったラオニッチの状態が心配されましたがやはり万全には程遠く、予選から勝ち上がってきたリトアニアの24歳、当時116位のベランキスの前に初戦敗退を喫してしまったのです。この勝利で波に乗ったか、元ジュニア世界1位の実績を持つベランキスは11月にイタリアで行われたCH大会で優勝し今シーズンをトップ100入り(86位)で終えました。  一方ラオニッチはバーゼルでもゴファンに敗れてしまい追い詰められたものの、パリMSでフェデラーから初勝利を挙げ土壇場の逆転で最終戦出場を勝ち取っています。 4位:マドリッド2回戦 ティエムVSバブリンカ スコア(1-6, 6-2, 6-4)  バブリンカは今年GS、MS、そして全豪前哨戦のチェンナイでツアー3勝を挙げデビスカップも獲得する充実のシーズンでした。しかしその一方で実に5回もの初戦敗退を喫しています。その一つがマドリッドMSのティエム戦です。片手バックハンド同士の対決は実力で上回るバブリンカが圧倒し第1セットを奪ったものの、第2セット以降ミスを連発して失速するバブリンカを前にティエムが元気を取り戻し逆転勝利を収めました。  ティエムの勝利は2009年のデルポトロ以来となる、20歳以下によるトップ3に対する勝利となりました。ティエムの5年ぶりの快挙にこの後10代のキリオスやコリッチも続くことになります。ティエム自身もキッツビュールでの決勝進出や全米16強など実績を重ね39位で今シーズンを終えました。来年のどのような活躍を見せてくれるのか、注目の選手です。 .@ThiemDomi vs. #Wawrinka features in our Top 5 @ATPWorldTour upsets of 2014. Watch: http://t.co/mWAj9vTEg1 #atp pic.twitter.com/bXxmYPNPxe— ATP World Tour (@ATPWorldTour) 2014, 12月 8 3位:オークランド準決勝 イェン・スン・ルーVSフェレール スコア(6-4, 7-6(4))  錦織の登場まで長い間アジアの男子テニス界を引っ張ってきたのが台湾のルー。現在31歳のルーは世界ランク最高33位、2010年ウィンブルドンベスト8の実績を持ちます。世界ランク65位で迎えた全豪前哨戦・オークランドで準決勝に勝ち上がりました。  だが準決勝でルーを待ち構えていたのはオークランド3連覇中、世界ランク3位のフェレールでした。誰もがフェレールのオークランド15連勝を疑わなかったこの試合でルーはストレートでフェレールを破ったのです。ルーにとってこれがツアーレベルで初めてとなる決勝進出でした。決勝ではイズナーに敗れてツアー初優勝はならなかったものの今年はキャリアハイに迫る34位(現在38位)を記録する充実のシーズンになりました。一時問題となった、アジア杯参加を巡るATPとの争いも穏便に済んだようです(罰金のみ処分)。 その2(2位と1位)に続きます。