その1からの続きとなります。 2位:バルセロナ準々決勝 アルマグロVSナダル スコア(2-6, 7-6(5), 6-4)  ナダルはバルセロナで無敵の存在でした。前回バルセロナで負けたのはまだ16歳だった2003年のこと。それから実に8回の優勝を重ね通算成績はなんと40勝1敗。だが今年は事情が違いました、同様に8度の優勝を積み上げてきたモンテカルロで元気なくフェレールに敗れていたのです。それでもナダルなら当たり前のように優勝するだろう、少なくとも自分はそう思っていました。  初戦3回戦は勝ち上がったものの、準々決勝のアルマグロ戦で果たして懸念は現実のものとなりました。これまで対戦成績10勝0敗と全く苦にしない相手のはずでした。第1セットを先取し、第2セットのタイブレークでも3-1とリードを奪いました。だが最後に勝者となったのはアルマグロでした。アルマグロは最終セットでナダルのサーブを3度破り、2時間48分の死闘を制しています。  しかしアルマグロはその後全仏初戦で左足の負傷によって棄権、そのまま長期離脱となってしまいました。22位から現在71位までランキングを落としているアルマグロですが、来年はシーズン開始とともに復帰できる見込みとなっています。  (上記表は2つ前の記事に貼ったナダルのクレー無双表に今年を追加したもの。明らかに異変が見て取れます。) 1位:シンシナティ3回戦 ロブレドVSジョコビッチ スコア(7-6(6), 7-5)  トロントMSでは初戦モンフィスに大苦戦し続く3回戦でツォンガに敗れたジョコビッチ。続くシンシナティMSでもジョコビッチの調子は戻りませんでした。初戦でシモンといきなりフルセットにもつれ込む苦戦、なんとか勝ち上がったものの実力者ロブレドを前にして勝てる状態ではありませんでした。ロブレドは通算2度目となる世界1位からの勝利、なんと前回は2003年の全仏でヒューイットから挙げた勝利だったのです。  「自分がキャリアを終え、自宅で友人と話し込むようなときでも、今日のような日は覚えているだろうね。大昔パリでヒューイットに勝った、今自分はジョコビッチに勝った、去年はロジャー(・フェデラー)に素晴らしい試合(全米4回戦)で勝てた。今後ずっと私の思い出となるだろう試合だ。」32歳ロブレドの試合後コメントです。  一方ジョコビッチの不振は大きな話題となり、公私双方において一区切りついたことに対しての燃え尽き説なども指摘されました。全米でも好調を取り戻せず錦織の前に敗れたジョコビッチでしたが、アジアシーズン以降は強さを取り戻し通算600勝、MS20勝、最終戦3連覇など数々の偉業を達成しています。来シーズンも男子テニス界はジョコビッチを中心に動くことになるでしょう。