フランスは当初取れると思われていたダブルスで完敗を喫したことで一気に追い詰められました。さらにフランスに追い打ちがかかります、ダブルスを回避したツォンガが腕の負傷のため大一番のシングルスを回避せざるを得なくなってしまったのです。仕方なくフランスはフェデラーの対戦相手に今季絶不調のガスケを送り込みます。ガスケは期待に応えてダブルスでの敗戦を挽回できるのか?  これまで数の上では10分の1とされるスイスの応援団に押されがちだったフランス応援団。初日を上回る27448人の観衆が詰めかけ、ようやく本気で声援を送り始めました。いつもなら大歓声を飛ばすフェデラー相手にも容赦なくブーイングを飛ばし、逆にガスケに大歓声を送ります。運命の第4ラバーが始まりました。  ガスケは片手バックハンドを得意とする選手。フェデラーが苦手とするバックハンドの打ち合いで勝機を探ります。だがダブルスの終盤から復活していたフェデラーがこの試合で躍動します。バックハンドの打ち合いも苦にせず、ガスケの返球が甘くなった瞬間回りこんで強打を炸裂させます。第3ゲームで早くもフォアDTLでガスケの横を綺麗に抜き去りブレイク。するとサービスゲームで3ゲーム連続ラブゲームキープを決める圧巻の展開でガスケに何もさせません。ファーストサーブが試合通して70%越えの確率できっちり決まり、ガスケの甘い返球に容赦なくフォアハンドを合わせていきます。第1セット、フェデラー6-4ガスケ。  第2セットも冒頭でガスケのミスにつけこみフェデラーがブレイク。またしても快調にフェデラーがキープを続けます。ガスケもなんとかチャンスを作ろうとフェデラーに食らいつきますが全く勝機が見い出せません。それでも第6ゲームでなんとか15-30までこぎつけました、フランス応援団のボルテージが一気に上がります!しかし無情にもフェデラーの3連続ファーストサーブが突き刺さり結局何事もなくキープ。続く第7ゲームでフェデラーはリターンエースを2本叩き込む圧巻のプレーでガスケからブレイクをもぎ取りました。最後はまたしてもラブゲームキープでフェデラー6-1ガスケ。フェデラー2セットアップ。  スイス優勝まであとわずか1セット。第3セット決めに来るフェデラーに対し大声援を背中にガスケが必死の粘りを見せます。第1ゲームで4度のBPを耐え切り、逆に第4ゲームではデュースまでフェデラーを追い詰めます。しかしフェデラーは見事なネットプレーでガスケの流れを寸断しキープを続け、逆に第5ゲームでしっかりブレイクを奪います。そして続く第7ゲームでも容赦なく襲い掛かるフェデラー、それに対してガスケも粘りを見せ今日一番の盛り上がりに。だが今日のフェデラーはロングラリーでも強かった…バックハンドを攻めても崩れないフェデラーの前にとうとうガスケが根負け、勝負は決しました。最後はフェデラーのドロップボレーが綺麗にコートに落ちて試合終了。フェデラーは前のめりにコートに倒れこみ、悲願達成を喜びました。フェデラーの目には涙がありました。 "Not for me,this is for them. I've won enough in my career "-Federer pic.twitter.com/3qO3LO0NAt— Federinka (@TeamFederinka) 2014, 11月 23  「これは自分のためじゃなく、みんなのための勝利だ。自分はもう十分勝ってきたからね。」初日の敗戦から立ち直ったフェデラーはそう語りました。若いころは奮闘してもどうしても届かなかったタイトル。バブリンカに懇願されもう一度戻ってきたこの舞台でまさか優勝を勝ち取れるとはフェデラーも思っていなかったかもしれません。そして初日ツォンガを打ち破り、ダブルスでも獅子奮迅の活躍を見せたバブリンカが本当に素晴らしかった。今年はバブリンカにとって間違いなく最高の1年となったでしょう、GS(全豪)、MS(モンテカルロ)、そしてデビスカップを手にしたのです。試合前は間違いなくスイスに吹いていただろう逆風の嵐を見事振り払って手にした、史上初めてのスイスデビスカップ優勝でした。 All smiles: @stanwawrinka, @rogerfederer, Severin Luthi, @lammer82 & @mchiudinelli33 celebrate with the trophy! pic.twitter.com/6VNhyTq9D5— Tennis Photos (@tennis_photos) 2014, 11月 23