最終戦も終了し世界ランキングが更新されました。さっそく見ていきましょう。  ポイント大盤振る舞いの最終戦を終えても一切ランキング変動がありません。すべての試合でランキング上位者が勝利を収めるとてつもなく順当な最終戦になったからです。第4シードで参戦した世界ランク5位の錦織もしっかり下位選手から2勝を挙げて400P稼ぎました。マレーやフェレールが錦織から見て「下位選手」になってしまうなんて正直まだ感覚がついてきませんがね。  ようやく全豪と全米でこの壁が打ち破られたとはいえ、1年通してのポイントを見るとまだまだBIG3体制は健在です。そして今回の最終戦で2強が圧倒的な勝ち上がりを見せつけたように、実力面でもまだ差があるのが現状。これを来年以降他の選手達がどのように崩していくのか見物であります。そして彼らを追い落とす候補の最有力として君臨するのがわれらが錦織圭。おそらく世界ランク5位で迎えることになる全豪はもちろん、来年はどの大会でも優勝候補の一人として名前が上がるようになるのです。錦織がどこまで結果を残せるかが来年のテニス界の鍵を握っていると言っても決して大袈裟ではないでしょう。  全米前までは錦織をリードしながら大逆転をくらったラオニッチやディミトロフにとっても来年は勝負の一年となるでしょう。まだ錦織より若い二人はむしろ来年が勝負かもしれません。ベルディヒ、バブリンカらが30代に突入しフェレールに至っては来年33歳。来年こそはっきりと世代交代を成し遂げなければならないでしょう。ゴファンやティエムといったほかの若手陣にも3人に続く活躍が求められます。  トップ9以外でもちょこちょこ順位変動が起こってます。まだ各地でCH大会が開催されているためです。その中で逆にL・マイヤーは昨年のCH優勝ポイントを失い3ランクダウン。そのせいで自己最高位に並んでいたベネトーがキャリアハイを更新しました。ベネトーはダブルスでも全仏を制覇するなど今年大活躍、最終戦にも出場しRRを突破、準決勝まで進出しています。今週のベネトーは単(25位)複(5位)両方でキャリアハイを記録中。32歳にして素晴らしい活躍です。  このほか、7月までは100位台にいながら2週連続優勝で一気にランキングを戻し復活したクエバスが先週もエクアドルのCH大会で優勝、3ランクアップしてキャリアハイを更に更新しました(32位)。アメリカのCH大会で優勝したマナリノも44位を記録してキャリアハイを更新しています。中位以上の多くの選手がオフに入るこの時期になっても、最後の最後まで頑張る人もまた結構いるのです。 ————————–  実は日本でもシーズンの最後を飾る2週連続のCH大会が開催されています。先週は横浜・慶應チャレンジャーが開催され、今週は豊田チャレンジャー(ダンロップ・ワールドチャレンジ)が行われています。慶應CHでは日本勢は残念ながら添田豪のベスト4が最高でしたが豊田ではどうなるでしょう。伊藤竜馬と添田にとっては全豪本戦入りがかかった大一番です。毎年全豪本戦の最終カットラインは105~8位あたりとなっており、103位の伊藤は現在ギリギリ、117位の添田は優勝が欲しい。慶應CHで優勝したミルマン、同じ日本勢で今週キャリアハイを更新する157位を記録している西岡ら強敵は多いですが、果たして二人の全豪本戦入りはなるでしょうか。  なお、豊田は男女共催であり、錦織と奈良くるみを除く2番手以降の日本男女トップ選手のほとんどを見ることができます。近い方はぜひ足を運ばれては如何でしょうか。