①新旧両手バックハンド王者の対決はどちらに軍配が上がるか? ジョコビッチは、非常に総合力が高く、どこをとっても隙がほぼない選手なのですが、(だからこそ世界一位でもある訳です。)その中でも彼の両手バックハンドは世界一だといわれ続けてきました。素晴らしいフットワークから、ハードコートでもスライディングを巧みにつかい、やっとの思いで届いたところからでも、クオリティの高いショットを繰り出してきます。ほとんどミスをしません。また、ダウンザラインも非常にうまくコースが読めません。 そのジョコビッチに対し、錦織は新たなる両手バックハンドの王者なのではないか、と言われています。 もともと2008年頃はairKと呼ばれるフォアハンドの芸術性、攻撃性、が評価された錦織ですが、その頃と比べて最も進化したのがバックハンドでしょう。 その安定性、アングルの角度、タイミングの速さ、などから、錦織がリスクを負っていないのに攻めることができる、という錦織最大の武器のひとつになっています。 では、実際にどのような特徴があるのでしょうか。ジョコビッチと錦織で比べてみました。 ①速いタイミングでショットを打てる。 錦織>ジョコビッチ ②クロスショットのアングルの角度。 錦織>ジョコビッチ ③ミスの少なさからくる安定感 ジョコビッチ>錦織 ④大幅にバックサイドにふられた時の安定感 ジョコビッチ>錦織 ⑤バックハンドダウンザラインのうまさ ジョコビッチ≒錦織 ⑥アドサイドからの相手のスピンサーブをダウンザラインに打ちきる力 錦織>ジョコビッチ といったところでしょうか。①②⑥からわかる通り、攻撃力は錦織。③④からわかる通り、守備力はジョコビッチ。にそれぞれの特徴が表れています。 とはいえ、どの項目も二人の力は最高級。世界両手バックハンドランキング1位2位で順位をつければどうなるか、という話です。 さて、新旧バックハンド対決、今夜はどちらに軍配があがるでしょうか。注目です。ちなみに、全米オープンではこの新旧バックハンド対決は錦織の圧勝に終わっていますが、パリではジョコビッチも全米の反省を生かしジョコビッチに軍配があがった結果となっています。 全米オープンの時の新旧バックハンド対決の錦織の圧勝劇、はこちらに分析とともにくわしくのせてあるのでそちらもお時間があれば是非。 ②錦織の1stサービスの確率はいかに? ジョコビッチのラウンドロビン(日本では1次リーグとかいうけど、そこは正式名称で呼んでほしいな、、、)での成績は驚異です。 (1) N Djokovic defeats (8) M Cilic  61 61 (1) N Djokovic defeats (3) S Wawrinka 63 60 (1) N Djokovic defeats (6) T Berdych 62 62 そして、それぞれでジョコビッチがブレークした回数と相手がキープできた回数は、 チリッチ戦 6回―1回 ワウリンカ戦 5回―2回 ベルディフ戦 4回―4回 計 15回―7回 これは、男子テニスであってはならないことです。キープが基本の男子テニス界において、ジョコビッチと対戦する相手は、キープできない確率の方が圧倒的に高い、というデータなのです。ちなみに、彼ら3人は決してサービスが苦手な方に入るプレーヤーではありません。むしろ、平均よりは上の実力をもっているプレーヤーです。 そして、これもちなみにちなみに2014年のキープ率は以下の通りです。 イズナー93%(1位) フェデラー91%(3位) ジョコビッチ88%(5位) ベルディフ87%(7位) ワウリンカ86%(9位) チリッチ86%(13位) 錦織85%(17位) 本来85%以上でキープできるのに、ジョコビッチとやると半分もキープできない、、、 これだけ悲観的な要素をあげてきましたが、錦織もリターンは非常に強く、ジョコビッチと同じように、「相手のキープよりブレークした方が多い」というこの状況を優勝したバルセロナでつくったこともあります。 なので、たとえジョコビッチにサーブを攻撃されたとしてもなんとか1ブレーク以内におさえることが重要になります。 という訳でそろそろ結論をいうと、 「ジョコビッチから1ブレークされても錦織が2ブレークして勝つ、というのが基本。ジョコビッチから1ブレークに抑えるために、最低1st確率55%が必要。できれば60%欲しい。」 ということになります。フェレール戦で持ち直してきたサーブに期待したいですね。 ③立ち上がりの入り方が重要。 ジョコビッチ相手にストレート勝ちするのは至難の業です。 その意味でも、第1セットを最高ではないまでもなんとかとり、最終セットの錦織劇場につなげていく必要があるのです。 最高の出来ではないまでもセットをとるためにはどうすればいいか? それは、ずばり試合の入り方が重要になります。基本的には、錦織のフェデラー戦の入り方は間違っていなかったように思います。あれでいいです。ってかあれがいいです。あとは、序盤にくるチャンスどこでギアを上げて先にブレークできるかどうか、でしょう。もしブレークできれば試合は五分五分以上に持ち込める可能性があります。(これで5分5分、というのがジョコビッチの強さです。) 逆に、錦織は一昔前は最初の自分のサービスゲームを落とすことが多かったです。こうなるとかなり厳しい戦いを強いられるでしょう。 ④スコア予想 という訳で、スコア予想です。ツイッターやこのブログなどでツアーファイナルズのラウンドロビンのスコア予想をしているのですが、 1試合目マレー戦はまさかの完全一致。2試合目フェデラー戦は1stセットのスコアを一致し、セットカウント0-2を的中。3試合目はカウントは当たらなかったものの2-1錦織勝利を的中。 と過去、類をみないほどに調子がいいです。 たぶんジョコビッチと同じくらいか、それ以上に調子がいいです(笑) という訳で今夜の予想内容です。 A セットカウント 0-2 1-2 2-1 2-0 B ゲームカウント C 錦織サービス確率 を予想します。みなさんももし時間があれば是非コメント欄に予想どうぞ。 僕の予想は、 A 錦織2-1 B 6-4 1-6 6-3 C 59% です。 さてさて、どうなるでしょうか。 地上波放送も決まっているこの歴史的一戦。 一人でも多くの人と一緒にこの感動を共有したいですね!