ベルディヒは試合が始まる前からジョコビッチに負けた気でいるように見えました。試合前のコメントでも弱気発言を連発していたというベルディヒ。やる前から勝負は決まっていたのです。  ジョコビッチは順調にベルディヒからポイントを奪っていきます。ベルディヒの強力なファーストサーブを苦もなく返し、安定感抜群のストロークで今日もラリーを支配しました。連続ブレイクを奪ってあっという間に4-0としたジョコビッチが6-2で第1セットを先取しました。  第2セットは最初のゲームで40-0としたベルディヒがこのまま食らいついていくかのように見えましたが、そこからジョコビッチが逆襲してなんとブレイクに成功、試合の趨勢はあっという間に決まってしまいました。ジョコビッチはこのセットでも連続ブレイクを奪って4-0とし、最終的には6-2を2つ並べて快勝。グループAの3試合でなんと9ゲームしか失わない圧倒的な力を見せつけて準決勝に進出しました。  ジョコビッチはこの勝利によりフェデラーを振りきっての年間1位が確定。試合後には年間1位トロフィーの授与式が行われました。 Big kiss! Novak #Djokovic gives the year-end No.1 Trophy a massive kiss! #tennis #FinalShowdown pic.twitter.com/nSVQh6Ls7U— TennisTV (@TennisTV) 2014, 11月 14  一方1セット以上取れば自動的に2位抜けが決まるバブリンカと全敗では終われないチリッチの一戦は意外な展開を見せました。バブリンカは相変わらず調子の上がらないチリッチから第4ゲームであっさりブレイクを奪うとそのまま第1セットを先取し準決勝進出を確定させます。第2セットはお互いBPもデュースもない淡白なキープ合戦になりましたが、第10ゲーム冒頭のバブリンカのDFにつけこんだチリッチが見事なショートクロスのリターンを炸裂させ大チャンスを作ると一気にブレイクに成功。第2セットを取り返したのです。  この試合に期待していた人は実際あまりいなかったと思いますが、第3セットは予想外に競った試合となりました。バブリンカがいきなり15-40のチャンスを作るもチリッチがファーストサーブなどでしのぐと逆に第2ゲームでチリッチが先にブレイクしてリードを奪ったのです。チリッチは第3ゲームでも40-15としてこのまま突っ走るかと思われたところから、DFやバブリンカのスライスに対する返球で自滅。バブリンカが吠えて大きなガッツポーズを見せます。  その後お互いキープして迎えた第7ゲーム、40-30からチリッチのストロークが3連続でラインを越えていきバブリンカがブレイクに成功しました。一時プレーレベルの落ちていたバブリンカでしたが直前の第6ゲームあたりから一気につまらないミスが減り、逆にチリッチのミスを誘い続けました。このブレイクの後もバブリンカのプレーが落ちることはなく、自分のサービスをラブゲームキープすると最後のチリッチのサーブも破って勝利を収めています。 All charged up for tmrw's ALL-SWISS semi!!! @stanwawrinka #HugeCongrats #FinalShowdown @WorldTourFinal @normansweden pic.twitter.com/uiQnIKNMLB— Erika Tanaka (@ErikaTanaka11) 2014, 11月 14  初出場した昨年から2年連続の準決勝進出としっかり結果を残しているバブリンカ。準決勝ではスイスの大先輩フェデラーと対戦します。バブリンカは非常にフェデラーと分が悪く2勝14敗と圧倒的劣勢ですが、今年に限って言えばモンテカルロ決勝で勝利し、ウィンブルドン準々決勝でも激戦を演じています。どちらの勝利に終わるにしても充実した試合で来週のデビスカップ決勝につなげたいところでしょう。