こんにちは。 世紀の一戦まであと半日、待ち遠しいかぎりです。 グランドスラム以外の非日本開催の大会がBSも含めた全国ネットテレビ中継されるのはおそらく旧ツアーファイナルズのマスターズカップ以来ではないでしょうか。 いよいよ今日からバークレイズ・ATPワールドツアーファイナルズが開幕します。 そのシングルスのオープニングマッチに抜擢されたのが錦織圭とマレーです。 今日はマレー戦の展望とランキング試算です。 昨日の記事で紹介した通りマレーはディフェンス力が高い選手です。 自分から決めに行くというよりは相手の出方を待って、いい時はカウンターから攻めていくタイプの選手です。 コート端に追いやってもまだ決まったわけではないというのは選手にとって嫌なものです。 多くの方の見立てによるとやはり錦織の攻め×マレーの守りの対決という構造が多いようです。 確かにプレースタイルから言って必然的にそうなりそうですが、私はここが勝負の分かれ目ではないと思っています。 ヒントになる内容の展望がこんなところにありました。あの松岡修造さんのマレー対策です。 松岡修造さんブログ おもしろい発想です。焦るな、逆に引けと、そうおっしゃっています。私はこの考えに大納得しました。 確かに錦織の攻撃力をもってすればこの堅い守備のマレーを突破できる可能性は十分にあります。勝負しに行っていいと思います。 ですがこうは思いませんか。その地点でマレーの思惑通りだと。 マレーはじっくり攻めて来られる方が嫌だと思います。むしろ早打ちしてくれるからこそカウンターが生きてくるものです。 つまりもし試合の序盤で錦織の攻めをマレーがしのぎ切ってしまったら…その試合の前半の主導権はマレーに行き、おそらく第1セットを取られるだけでなく、錦織の心理状態として早く決めなければという悪循環に陥ってしまいます。 そうするとフェレール戦のようなミス連発であっさり自滅ということも考えられます。どうやら今回もパリ同様HEAD製のボールらしく、それは不安材料です。 では錦織はどこから攻めていけばいいのか?私の答えは「リターン」です。 マレーの故障離脱後、唯一マレーの中でパフォーマンスが落ちている部分、それはサーブです。 やはり腰を痛めている影響なのか、どうしても全盛期の200km/hを超えるサーブは少なくなったように思います。 マレーをビッグ4たらしめた理由にはカウンターだけでなく、マレー独特の軌道でセンターに突き刺さるこのサーブがありました。 意外とビッグ4はみんなサーブはそこまで速くはないですからね。ベルディヒやバブリンカ、ツォンガのほうが球速は早いです。 そんな中コンスタントに200km/h超えでエース連発だったマレーがサーブを失ったのは痛手で、私は前半戦のマレー不調をここに見い出しています。 最近のマレーの勝ち方は1ブレークされて2ブレークする、そんなセットを積み重ねることが多いです。 今シーズンのサービスキープ率81%はファイナル出場全8選手中最低、ビッグサーブのない錦織よりも4%低い数字です。 つまり錦織の勝ち方はマレーのそれを再現することです。リターンでプレッシャーをかけていき、マレーのすごいラリーによって仮に1ブレークされても2ブレークして勝つ、ここを念頭にプレーしてほしいです。 もちろんふたを開けなければわかりませんが、ブレーク合戦の可能性はまあまああると見ています。 1ブレークしても油断せず、1ブレークされても諦めない気持ちが大事です。 後半はランキング試算です。まずはファイナル前のランキングから。 1 ジョコビッチ    10010 2 フェデラー       8700 3 ナダル       6835 4 バブリンカ       4895 5 錦織圭       4625 6 マレー       4475 7 ベルディヒ       4465 8 ラオニッチ       4440 9 チリッチ       4150 ファイナルはラウンドロビン(予選リーグ、以下この説明省略します)は1勝で200p、準決勝勝利で400p、決勝勝利で500pです。最大200×3+400+500=1500p入ります。 そしていろいろ計算してみたら今地点では、4~9位に関してはポイントが近すぎて、いろんなパターンが考えられるので正直意味はありません。 しかしはっきりしている第1戦のカードについて説明しておきましょう。 錦織×マレーについては現在1勝分以内のポイント差です。 錦織が勝てばラウンドロビン残り2試合で2勝分の差になるので、マレーより上で終えることが濃厚になります。 ラオニッチもフェデラーに勝ち、錦織が負けると順位入れ替えです。 ランキングの面でも錦織は絶対に負けられない試合です。 同様に、明日行われるベルディヒも錦織負けベルディヒ勝ちの時順位入れ替えです。 毎日のようにランキングが変動するものと思われます。 しかし忘れてはいけないのは、みんながほぼ同点だからこそ上位に進出できれば確実に4位、5位フィニッシュが見えてくることです。 バブリンカは第1週にチェンナイ優勝のポイントが失効するので、肉薄するか抜いて終えられれば、夢の全豪第4シードも見えてきます。 様々な意味からも重要な試合となる初戦、グループBの2試合は本当に面白い試合になりそうです。それでは。