先週パリ大会をもって一般のATPツアー全日程が終了し、さらに最終戦・デビスカップ決勝のポイントも失効、レースランキングはほぼ役目を終えました。「ほぼ」というのはこれから11月末にかけて行われるチャレンジャー大会のポイントはまだ失効しないためで、下位の選手達はまだレースと本来のランキングにずれが生じています。  ということで今週からしばらくは世界ランキングのみを見ていこうと思います。さっそく見てみましょう。  パリベスト4で360P稼いだ錦織が5位に入りました!とうとう世界ランキングで片手に入ったわけです、トップ5です。どこまで順位が上がって行くのか見ているほうも怖くなってくるぐらいです。とはいえ実際に大きな恩恵を受けられるのはグランドスラムやマスターズでトップ4シードに入ることができる4位でしょう。ぜひともこの最終戦でもう一つ順位を上げてほしいものです。  先週に引き続きパリの予選を突破したソック(42位)や全米以降一切ポイント失効のないジョンソン(37位)らがさらに最高位更新しています。彼ら若手アメリカ勢が来年以降イズナー、クエリーに代わって台頭することになるのでしょうか。現在57位のヤングを含めて元・テニス大国アメリカの今後には注目です。  またおそらく現在のメンバーでこのまま確定するであろう年末トップ30の選手達は、来年度においてMS強制参戦義務やATP500四大会参加義務などが科される「コミットメントプレイヤー」になります。ATPのトップ選手としての責務を背負うことになるわけです。この縛りがない状態で駆け上がったゴファン(110位→22位)などの新規トップ選手は来年上位の集う戦場で結果を出せるか問われることになります。  最終戦争いの最終結果も見てみましょう。  激戦の末涙をのんだのはフェレールとディミトロフ。フェレールが10位まで落ちるというのは実に4年ぶりのことです。しかしこのポイントは通常の年なら少なくとも8位には入っている数字であり、普段なら最終戦出場に十分だったでしょう。いかに今年の最終戦争いが過酷であったかがわかると思います。  そしてこの6週間のマレーの追い上げには本当に素晴らしいものがありました。2度のロブレド戦の信じられない逆転劇、ウィーンでのフェレールとの死闘、それらを全て乗り越えマレーは今年もロンドンへ戻ってきたのです。高熱で上海を棄権しモスクワで初戦敗退に終わり一度は絶望かと思われたラオニッチも負けたら終わりの土壇場で見事フェデラーを打ち破ってみせました。どの大会でも堅実に勝利を挙げてポイントを稼ぎ5年連続最終戦出場を決めたベルディヒ、東京もパリも苦しい戦いとなった中でそれでも実力を発揮して見事凱旋優勝と世界5位を掴み取った錦織。皆が素晴らしいファイトを見せてくれました。  彼らが繰り広げた戦いの集大成がロンドン・O2アリーナでも見られることに期待しましょう。最終戦の組み合わせや日程は既に発表されていますが、そちらをチェックするのは明日にしようと思います…