いやあ、完敗でした。錦織はジョコビッチに2-6、3-6で敗戦。ジョコビッチの安定感あるプレーを最後まで崩せず敗れてしまいました。ですが崩せなかった原因は錦織にあります。明らかにフェレール戦に比べるとフィジカルが落ちており、そのせいか攻撃的に行くことがそもそもあまりできていませんでした。ウィナー9エラー23という結果からもそれが伺えます。  しかし圧勝した北京ですら見られた傾向である、第2セットでリードを奪うと途端にペースが落ちるというジョコビッチの欠点を突いて一度はブレイクを返し、さらに0-40まで追い上げました。このブレイクさえ取れればまだわからなかったでしょう。そう考えるとちょっと残念でもあります。  初戦からずっとフルセットで苦戦続きだったので、準決勝でジョコビッチとあっては持たないのも仕方ないか。大会通してタイミングが合わずエラーを連発して苦しんでいた中でよく準決勝まで勝ち上がったという評価をするべきなのかもしれません。  とにもかくにも錦織はベスト4という、最高ではないですが最善の結果でパリMSを終えました。1週間のインターバルの後錦織は最終戦に臨みます。最終戦はグループリーグが1日おき、準決勝決勝が連戦となります。休養の多さは錦織にとってプラスでしょう。しっかり状態整えて臨んでほしいものです。  もう一方の準決勝はラオニッチVSベルディヒ。元々対戦成績がラオニッチの2勝1敗と、格上に弱いという評価をされることが多いラオニッチが珍しく相性のよい上位選手がベルディヒでした。ラオニッチはフェデラー戦の勢いそのままに強打を炸裂させ第4ゲームでブレイクを奪うと第1セットを先取します。第2セットはやはり序盤にベルディヒがブレイクを奪うとリードを守り切って第3セットへ。第3セットはお互いBPもデュースもないサーブと強打の打ち合いとなりましたが、タイブレーク目前の第12ゲームに突然終わりがやってきます。ベルディヒはダブルフォルトを2連発して15-40の大ピンチを迎えると、ショットをネットにかけてしまい試合は突然の幕切れを迎えました。  ラオニッチは昨年のモントリオールMS以来となるマスターズ決勝進出を果たしています。前回は地元カナダのマスターズでナダルに対していいところなく敗れたラオニッチ、今回また同じことを繰り返すわけにはいきません。相手は今回もBIG4の一員ジョコビッチですが、ジョコビッチに対してはこれまでクレーでしか対戦したことがなく、お互いが本来得意とするハードで戦うのは今回が初めてのこと。ジョコビッチ戦0勝3敗のラオニッチが、果たしてどんな勝負を見せてくれるのでしょうか。0勝6敗だったフェデラーを破ったようなプレーを再び繰り出せるか。  一つ気になるのは錦織の来週の順位です。現在錦織は暫定5位、ベルディヒも敗れたため昨日から状況変わらず5位を維持しています。この順位がひっくり返るのはラオニッチが優勝して現状から400P加えたケースのみ。錦織のキャリアハイ更新は決勝の結果にかかっています。