女子の最終戦はセリーナ・ウィリアムズの優勝で幕を閉じましたがWTAツアーは今週もブルガリアのソフィアで開催されています。この大会「WTA トーナメント オブ チャンピオンズ」は6年前に始まった特殊な大会で、ある条件を満たした選手達が最終戦のように2組に分かれて上位2人づつが準決勝に進出する形式を取っています。この条件というのがまた特殊で… ①インターナショナル大会(男子でいうATP250に相当、全31大会)で今年優勝している。 ②最終戦には出場していない。 ③上記を満たした選手をレースランキング上位6人選ぶ。 ④上記以外の選手に2人ワイルドカードを与える。  今年はレースランキング10位のマカロバから22位のムグルザまでの大会優勝者6選手と、①には該当しないもののビッグタイトルであるIWを取ったペンネッタ、そして地元ブルガリアのピロンコバという8選手が選ばれて出場しています。  ところでこれを男子に当てはめてみたらどうなるのでしょうか?ちょっと調べてみました。WCは出さない前提で上位8人。  女子はインターナショナルを複数制した選手が最終戦に出場したイバノビッチと、ムグルザに順位一つだけ及ばず出場を逃したプリズコバの2選手のみ。それが男子はこの表の中だけで5人も複数回優勝を果たしておりさらに錦織、マレー、チリッチも250大会を複数制しているのですから驚きです。女子と男子では優勝者の傾向が全く違うことがわかります。もちろん大会数自体も異なり男子のATP250は全40大会なのですがそれにしてもこの重複ぶりはすごいですね。 参考までに表に載っている選手の傾向を見てみると… ①前半奮闘後半息切れ:グルビス、フォニーニ  この二人はいずれもシーズン序盤のトーナメントを制しています。今でもトップ20にいるのですから素晴らしい実績を上げているのは間違いないのですがそれが前半に集中しているのは気がかりです。クレーコーターのフォニーニはともかく、全仏ベスト8に入ったとはいえ本来ハードコーターのグルビスが後半息切れしたのは非常に残念です。両者とも非常に気性の荒いプレイヤーなのもひょっとしたら関係が? ②地元大会で優勝:イズナー、モンフィス  イズナーは地元アメリカの、モンフィスは地元フランスの大会をそれぞれ制しています。地元は大歓声が後押しする一方でプレッシャーもかかり難しい戦いとなる場所ですが、そこでしっかり優勝を決めたのは素晴らしいの一言です。 ③優勝して大ブレイク?:ディミトロフ、アグート、ゴファン  ディミトロフは昨年、アグートとゴファンは今年が初めてのツアー優勝という3人。アグートはもう26歳の遅咲き、ディミトロフとゴファンは期待の若手という違いはありますが、この3人の急成長が今年のツアーにおいて輝いていたと言って間違いないでしょう。来年以降の活躍にも大いに期待です。 ④ベテランの連覇:F・ロペス  上記3パターンから外れたのがこの8人の中で唯一の30代、フェリシアーノロペスです。スペインなのにハード・芝好き、サーブ&ボレーの使い手である等独特のスタイルを持つロペスならではでしょうか。今年は芝シーズンで2週連続の決勝進出を果たし、クイーンズではディミトロフに敗れたもののイーストボーンで連覇を果たしました。今年はMSでも2度のベスト4進出を記録しており、大きな舞台でもその力を発揮しています。  もし女子のようにワイルドカードを選出するとしたら?それはもうジョコビッチ、フェデラー、マレーをなぎ倒す快挙でトロントMSを制したツォンガ以外いないでしょう。  ちなみに皆さんだったらこの8人の大会見たいと思いますかね?正直一般の人が見るメンツとしては少々微妙なメンバーかもしれません。女子のこの大会も来年以降制度が変わるようで、次はどんな形になるのでしょうか。