バレンシア決勝のカードはマレーVSロブレド。この二人は9月末の深セン大会決勝でも対決しており、5本のMPをしのいだマレーが大逆転勝ちを収めた激戦でした。そして今回もまた、いやそれ以上の死闘が展開されることになったのです。 5週間で20試合目となるマレーは第1セットから疲れの色を隠せませんが、ポイント間はすごく疲れた様子を見せながらもプレーに入るとしっかり走り回って守ります。しかし深センでそうだったように、守るだけではロブレドの攻撃をしのぎ切れません。第1セット3-3のデュースでは猛攻をかけるロブレドと全て守りきるマレーとの間で凄まじいロングラリーが展開されましたが、このラリーをロブレドが制すると一気に体力を奪われたマレーはイージーミスを2本連発しブレイクを許してしまいました。ロブレドは第9ゲームでもブレイクを奪ってセットアップ。  第2セットは両者1度づつブレイクを奪いタイブレークにもつれました。ミニブレイクの奪い合いになったタイブレークは5-5からマレーが凡ミスを犯してロブレドサーブのMPを迎えましたが、ここでロブレドのショットは非情にもネットに当たって大きく跳ねるバックアウト。ロブレドは再びMPを握りましたがここでマレーはエースを決めるなどして2本キープすると、さすがのロブレドも根負けしマレーがセットオールに追いつきました。 しかし深センの悲劇を繰り返すわけにはいきません。今回はロブレドも力尽きずに第3セットに向かってきました。第7ゲームにリターンエースを決めるなどしたロブレドが先にブレイクを奪いマレー万事休すかと思われたが、続く第8ゲームにすぐマレーがバックのDTLでウィナーを決めて追いつくと、またしても両者の死闘はタイブレークへ。  この時点で試合開始から3時間が過ぎていました。両者の疲労はとっくに限界でした。特にマレーはもう試合開始当初のような見かけ倒しでもなんでもなく本当に疲れ切っていました。それでも両者必死のプレーを展開します。ロブレドのMPが1本…ここでリターンをぶっ叩いたロブレドですがマレーの鉄壁の守備に阻まれました。今度は攻めきってロブレドのMPが2本…マレーが逆に攻め返してしのぎます。ロブレドのMPが3本…深センの時と同じ5度目のMPもしのぎました。最後はタイブレーク9-8から、マレーが振りぬいたバックのDTLがコートを転がっていきました。  試合後の画像のすべて(これとかこれとか)が両者の激闘を物語っていました。マレーにとってこれほど大きな勝利はありません。410P加えたマレーはレースランキングでベルディヒと錦織を抜いて5位に浮上します。5週間でマレーが増やしたレースポイントは実に1140P。5週連続参戦で3度の優勝、怒涛の追い上げで見事マレー健在を証明してみせました。 Earned it. (Pic via Getty) pic.twitter.com/KOePUV0k1b— Elena Scuro (@TheSliceTweets) 2014, 10月 26  一方バーゼル決勝を戦ったフェデラーは終始ゴファンを圧倒。ブレイクポイントを1本も許さず楽々とキープを続け、各セット2個づつブレイクを奪いわずか51分でストレート勝ち。通算6度目のバーゼル優勝を達成しました。レースランキング2位を走るフェデラーは500P追加しジョコビッチとのポイント差がとうとう490Pまで縮まりました。パリと最終戦の結果次第ではまさかの1位入れ替えなんてことが起こってしまうのでしょうか? It's not delivery, it's RFpizza. #Federer #ballboyforlife (pics via Getty) pic.twitter.com/ntWlLy5htO— Elena Scuro (@TheSliceTweets) 2014, 10月 26  フェデラーがボールボーイ&ガールにピザを振る舞う、地元ならではの毎年恒例イベント。みんな楽しそう!