2014パリマスターズの展望
こんばんは。
疲れる日本シリーズでした。気がついたらこんな時間です。
負けはしましたがいい試合でしたね。ほんと最近の阪神はどうしたんだってくらい強いです。
さてパリマスターズが開幕します。大会の大きな特徴としては、
・48ドローというマスターズ最小人数での開催
これは難しいです。16人シードがあり、残りの32人は1回戦を戦うので、上位シードはカットラインのかなり高い選手同士で勝った方(=調子いい選手)といきなり初戦です。そのためか波乱は比較的多い大会だと思います。
記憶に新しいところでは、2012年にはノーシードでヤノヴィッツが決勝まで進み、フェレールが優勝。
また4強以外の優勝者として、ツォンガ、フェレール、ソダーリン、ナルバンディアン、ベルディヒなど多くの選手が名を連ねていることからも分かると思います。
・最終戦のかかった特別なマスターズ
もう言うまでもありませんが、この大会終了後のトップ8がツアーファイナルズに進みます。
ATPポイントは試合に応じて非常に正確に加算される方式なので、「次勝てば決定」と言った試合が中盤戦で続出します。
その状況下で思わぬことが起きたりするのもこの大会です。
2011年は大逆転でティプサレビッチが最後の1枠に滑り込みましたが、この時はシモンやアルマグロがまさかの初戦敗退で好機を逃しました。
錦織にはこうなってほしくないですね。
またその他にも年末ランキングを巡って上中位でいろいろな争いがあります。詳しくはランキング試算で説明することにして、ここでは大会の概況です。
ドローが少ないので全選手名前掲載します。なお右に1つずれているのは1回戦免除の16人です。
①ジョコビッチ山
[1]ジョコビッチ
コールシュライバー
(WC)ロジャー=ベスリン
ソウザ
モンフィス
[13]イズナー
[9]ディミトロフ
マイヤー
クエバス
ルー
ベネトー
[8]マレー
②フェレール山
[4]フェレール
ロソル
(SE)ゴフィン
予選勝者
ベルダスコ
[15]シモン
[10]ツォンガ
(PR)メルツァー
ガルシア=ロペス
ロブレド
ポスピシル
[6]錦織圭
③バブリンカ山
[5]ベルディヒ
(WC)ハーバート
(WC)マナリノ
ヤノヴィッツ
予選勝者
[12]ロペス
[14]アンダーソン
ユージニー
ヒラルド
ティエム
ドルコポロフ
[3]バブリンカ
④フェデラー山
[7]ラオニッチ
予選勝者
アンドゥハル
ガスケ
予選勝者
[11]バウティスタ=アグト
[16]フォニーニ
カルロビッチ
予選勝者
予選勝者
シャルディー
[2]フェデラー
それでは展望です。
①ジョコビッチ山
なんといってもここは[1]ジョコビッチもさることながら、負けたら終わりのデスマッチ、[8]マレー×[9]ディミトロフのカードでしょう。
マレーは不運です。北京上海に続き再びジョコビッチが近い位置にいます。
もちろんバレンシア優勝→直接対決敗戦でも十分ツアーファイナルズは手中ですが、マレーはそれでは納得はいかないでしょう。
今季最後に大きくひと暴れを狙っているはずです。
一方ディミトロフとしてはこの混戦をベスト4で抜けないとファイナルはありません。どちらにとっても負けられない戦いです。
ノーシードはベネトーが少し怖そう。当たると怖いマイヤーも危険です。
ジョコビッチとしては復帰戦となる地元モンフィスが気になるところです。こちらも一発が非常に怖い。
やはりマスターズ最終戦、気の抜けない試合ばかりですがここはレース争いor1位争いの3人が抜けている印象です。
②フェレール山
ツアーファイナルズ当落線上すれすれにいる[4]フェレールはナダルの欠場で幸運にも第4シードを取りました。大きなチャンスと言っていいでしょう。
しかし残念なことに今最も当たりたくない最強のノーシード、ゴフィンが待っています。
先ほどバーゼル決勝が終わりフェデラーには惨敗でしたが、期待を感じさせるこの若手相手にしっかり勝ち切れるかは序盤戦の大きな山場になるでしょう。
また対抗シードも調子のいい[15]シモンとあって、フェレールは簡単ではない勝ち上がりになるでしょう。
一方対抗シード、アジア人初のファイナル進出を目指す[6]錦織圭ですが、こちらも初戦がバレンシア決勝に進んでいるロブレドの可能性があり、難しい戦いになると思います。
ただ疲弊している可能性もあり、1週間で5試合+中1日の火曜日に1回戦→次の日(水曜日)に錦織と2回戦となり、初戦で敗退する可能性もあります。
私は対戦経験のあるロブレドよりも、初対戦になるポスピシルとのカードを見てみたいです。どっちが勝ちやすいかとかは関係ありません。
そして反対側はノーシードに勢いがなくおそらく[10]ツォンガが上がってくるでしょう。
ツォンガは復帰戦、しかし地元フランスで優勝経験もある大会、また昨年錦織に敗れファイナル進出を逃した因縁のカードでもあります。
現地情報によると一緒に練習したようですが(いいのかよ笑)、試合となればかなり強敵になりそうです。
錦織も含め、荒れ模様の展開と予想しています。
③バブリンカ山
ここにいるレース争いの選手は[5]ベルディヒ。かなりいいドローと言えそうです。
高ランクの初戦が予想されるこの大会でWC選手との対戦はアウェー感を除けばラッキードローと言えます。
ベスト8をかけた試合は苦手の[12]ロペス。これは厄介です。依然夏から好調をキープしています。
ここを超えるとベルディヒはファイナル濃厚になると思います。
一方3大会連続初戦敗退、絶不調の[3]バブリンカですが、ティエム×ドルコポロフの勝者との対戦はかなり厳しそう。調子を戻せないと初戦敗退もあり得ます。
ここは対抗シードの[14]アンダーソンも含め、本命不在の様相です。
圧倒的有力選手があまりいないため、ここもかなり荒れそうな気がします。
④フェデラー山
バーゼル優勝で臨む[2]フェデラーは年間1位の高いモチベーションで臨んでくるでしょう。
またデ杯決勝も残しており、充実した終盤戦を送っています。
体力切れがなければ順当に勝ち上がっていくものと思われます。
ただし初戦で当たりそうなシャルディーはかなり危険です。なんといってもローマではフェデラーにとっての初戦、まさに同じ状況でシャルディーが勝っています。
さてここはレース当落線上の[7]ラオニッチも勝負をかけます。
アンドゥハルもバレンシアでベルディヒに勝っており、ちょっと番狂わせの気配を醸し出しています。
そしてここにはノーシードでガスケが待っています。[11]バウティスタ=アグトは疲弊が心配ですが、体調を戻して来ればここのところ好調ですし可能性があります。
ラオニッチとてベスト8は難しいドローですが、加えてベスト4のために過去全敗のフェデラーも待っており、厳しいドローと言えそうです。
総評
難しい大会になりました。レース争いではベルディヒを除くほとんどの選手に序盤の山場があります。また端に位置する選手はジョコビッチ、フェデラーという大きな難敵も待ち構えています。
終盤戦に入ってこの2人が圧倒的に安定しています。何もなければこの2人の決勝が濃厚だと思います。
さて今回からトップ10、しかも6位や7位といった位置に入った錦織には全ての大会で優勝の可能性を考えることにしました。
6位や7位の選手というのはそういう選手だからです。常に優勝を期待されておかしくないランキングの選手です。
さてベスト4まではジョコビッチ、フェデラーを避けれたということで悪くありません。
またツォンガは復帰戦のため状況が分かりにくく、序盤戦はロブレドこそ怖いですが圧倒的な厳しさは感じず、いいドローだと思います。
レース争いは正直ふたを開けないと分かりません。それこそ2011年のように終わってみればこんな結末になったのかと来週あたりに言っててもおかしくないと思います。
大会はランキング試算を通しながら毎日振り返っていきたいと思います。明日は今日の2大会の決勝の結果を反映してツアーファイナルズ進出再試算です。それでは。
※前の2記事の個別のコメント返しはしません。すいません。あと「はじめに」の記事が見れない方がいらっしゃるようです。
何回か更新ボタンを押すなどして試してみてください。
※前言い忘れましたが以前のブログの記事は削除されたので復旧することはできません。申し訳ありません。
2014年より前の錦織に関する貴重な資料を失ってしまったわけで本当に申し訳ありません。
※当ブログでは「ツアーファイナルズ」と書いていますが大手報道機関ではほぼ「ツアーファイナル」となっています。
これはATP公式などの動画をよく聞くと「Barclays ATP World Tour Finals」の最後のsはしっかり「ズ」と発音しているように聞こえるのでできる限り正しい読みに準拠しようという考えからこの表記で書いています。略記するときはファイナルにしてます。
※数分程度10月26日に間に合いませんでした。すいません。