今週も世界ランキングが更新されました。さっそく見ていきましょう。  ストックホルムで優勝したベルディヒが錦織を抜いて6位に浮上しています。ベルディヒは痛恨のスマッシュミスで第1セットを失ったものの、第2,3セットとディミトロフの最初のサービスゲームをブレイクしてリードを奪う理想的な展開、第2セット以降はブレイクポイントすら許すことなく勝利を収めています(5-7,6-4,6-4)。ウェア契約を結ぶH&Mがスポンサーを務めるストックホルムで2度目の優勝を果たしました。  一方、決勝で敗れたディミトロフは昨年優勝のポイントを守りきることができず11位に転落しました。代わりにこの表にアンディ・マレーが帰ってきています!  このほかの選手では、チリッチに敗れたもののモスクワで準優勝を収めたアグートがキャリアハイを更新し14位に浮上しています。アグートは昨年58位でシーズンを終えた選手ですが、今年は飛躍のシーズンとなっています。また250が3大会開催された今週は下位でも順位の変動が相次いでいます。ソック(ストックホルムQF,47位)、ストルフ(ウィーンQF,50位)といった若手陣もキャリアハイを更新しており、今後が楽しみです。  今週は最終戦争いをしている選手同士の決勝が2つも行われました。ベルディヒVSディミトロフの一戦は前述したようにベルディヒが勝利を収めています。7位につけていたベルディヒがしっかり160P稼ぎ、最後尾から追いかけるディミトロフは105Pしかプラスすることができませんでした。ディミトロフは残る入れ替えポイントもこれで90Pとなってしまい、今週は準々決勝のフェデラー戦で勝利できないと1Pも入りません。まだパリMSが控えているとはいえ相当厳しい立場となってしまいました。  一方フェレールVSマレー戦はお互いの意地がぶつかり合う死闘となりました。しかし両者とも連戦続きで明らかに本来の姿ではありません。フェレールはミスが多く、一方のマレーも攻撃を繰り出すことができず終始守備的なラリーを続けるのみ。両者1セットを取り合い試合は第3セットに入りました。  お互い攻めを繰り出せないのでサーブを打ち込んでも両者全く優位を築けません。最終セットはひたすらブレイクを奪い合う泥試合になる中で、フェレールがこのセット3度目のブレイクを奪ってサービング・フォ・ザ・マッチを迎えました、しかしここからマレーが最後の力を振り絞って反撃を始めます。フェレールのDFでブレイクバックすると続く第10ゲームをラブゲームでキープしてフェレールにプレッシャーをかけます。最後は攻めたマレーがリターンエースで4度目のブレイクを奪い、最後しっかり締めて逆転勝利で優勝を飾りました。  その結果、レースランキングはこのようになりました。  マレーが最終戦圏内の8位に食い込んできています。全米明けのこの記事では一番下にいて、しかも相当の差をつけられていたマレーですがここ1か月で730P稼ぐ怒涛の追い上げでついに逆転して見せました。しかしまだフェレールともラオニッチとも僅差であることは変わらず、更なるポイントの追加が求められます。なお、モスクワで優勝しレースランキングが4000P突破したチリッチはグランドスラム優勝者の優先規定により一足早く最終戦が確定しています。  バレンシア・バーゼルが行われる今週の大会ではラオニッチが入れ替え0P、マレー、フェレール、ディミトロフが入れ替え90P、ベルディヒが入れ替え150Pとなっています。ラオニッチは今週絶対にポイントを稼がなければなりません。バレンシア参戦組の三人はいずれも入れ替えポイントが高く、連続参戦が続く中でさらに上位進出が求められる非常にタフな週となります。非情なサバイバルレースを勝ち残るのは果たして誰になるでしょうか?