世界が期待した天才、ドナルド・ヤング
Original:Steven Pisano
世界ランク7位につけ、プロテニス界における若手世代の先頭を走る錦織圭。 錦織は18歳でATPツアーを優勝するなど、同世代のプロの中では常に、No.1の実績と評価を獲得し続けてきました。 しかしジュニア時代に、錦織と同い年にして、錦織を遥かに凌ぐ評価を得ていた天才選手がいたことを、ご存知でしょうか。 その選手の名は、アメリカのドナルド・ヤング。 今回は、錦織の同世代最強のライバル、ヤングについてご紹介します。同世代を全く寄せ付けない才能
ヤングの才能が世界中に知れ渡ったのは、2003年に行われた、14歳以下の国別対抗戦。ヤングはアメリカのNo.1として出場すると、圧倒的な実力を見せつけて、チームを世界一に導きました。 その時の決勝で対戦したのが、錦織を擁する日本チーム。 No.1の喜多文明がヤングにストレート負け。No.2で出場した錦織がアメリカのNo.2選手に勝利するも、喜多と錦織で組んだダブルスは、ヤングに圧倒されて完敗し、日本チームは準優勝となりました。 2002年当時の、ヤングのプレー映像がこちら。年齢的には12〜13歳です。 規格外の威力を誇るフォアハンドはもちろん、躍動的なフットワーク、そしてネットプレーを絡めた組み立ては、とても12〜13歳には思えません!Original:Alexander Kozyrev
史上最年少で四大大会のジュニア部門制覇
その後も順調に成長したヤングは、14歳にしてナイキやヘッドなど、有名なスポーツブランドと契約。 ヤングはすでに、プロの100位台の選手にも勝利していました。 そして15歳6ヶ月と7日という当時の史上最年少で、全豪オープンのジュニア部門を制覇。ジュニアの世界ランクでも1位を記録しました。伸び悩むプロキャリア
Original:Jennifer Liquido
ジュニア時代には圧倒的な強さを誇ったヤングですが、プロ転向後は伸び悩んでいます。 世界ランクは、2012年に記録した38位が自己最高位で、ツアーでのタイトルもまだありません。錦織とヤングのライバル関係
photo:TENNIS TOPBUZZ
共にジュニア時代から、アメリカを拠点に育った錦織とヤングは親交もあり、プロの試合で2度、ダブルスを組んで出場したことがあります。 初めてペアを組んだ2007年のフューチャーズ大会では、優勝も果たしています。 そして直接の対戦成績。ジュニア時代は、錦織を大きくリードしていたヤングですが、プロ転向後は、錦織の2勝1敗です。 この1敗も2007年のもので、2013年と2014年に対戦した2戦は共に錦織がストレートで勝利。実績も直接対決も、プロ転向後は錦織がリードしている状況です。