タイトルの話題に入る前にとりあえずまずは錦織の準々決勝情報を。  VSマトセビッチ戦は本日21時30分頃試合開始予定です。過去の対戦成績は錦織の4勝0敗。準決勝に勝ち上がった場合、アンドゥハルとニエミネンの勝者と対戦となります。  このブログでは一度も取り上げていませんでしたが、アジア大会ではテニス競技も行われています。伊藤、杉田、西岡、内山を派遣した日本は団体戦で銅メダル、そして現在行われている個人戦には杉田と西岡が参戦してまずは初戦を順調に突破しました。  錦織や添田はアジア大会には参加しませんでしたが、ウズベキスタン、カザフスタン、台湾などの各国はトップ100プレイヤーを引っ提げてこのアジア大会に参戦してきました。しかしトップ選手には通常のATP大会も控えています。彼らはそれを欠場し、代わりに国を代表してアジア大会に参加しているのです。  しかしアジア大会はツアー大会を主催するATPの主催でも、グランドスラムやデビスカップ、下部大会を主催しているITFの主催でもありません、もちろんポイントも1Pも加算されません。彼らにしてみればアジアカップは数あるエキシビジョンの一つに過ぎないのです。エキシビジョンに参加するという「正当でない理由」で参加予定のATP大会を蹴ることは許されないというのが理屈です。  いくつかの海外記事(リンク1,リンク2)の報道によると、世界ランク43位の盧彦勳(イェンスン・ルー、以下ルーと呼称)をはじめとするトップ選手たちがアジア大会を理由にATP北京大会またはATP東京大会を欠場した場合、3年間の出場停止と10万ドルの罰金という非常に重い罰則が科されるとの警告が出されているとのことです。これらの対象にはルーだけでなくウズベキスタンのイストミンやカザフスタンのゴルベフなど計5選手が含まれています。  ルーが参加する北京の1回戦は29日より行われます。一方アジア大会テニスの決勝戦は30日開催で、ルーは北京の1回戦に間に合いません。日本に参戦予定だったイストミンも同様です。アジア大会を優先すると北京や日本は欠場せざるを得なくなります。しかしATPはそれに待ったをかけたわけです。  アジア大会の日程が中々決まらず、北京や日本のエントリー締切のほうが早かったため彼らはどちらかを切るという選択はできませんでした。最初から日程がかぶっていれば彼らはエントリーしなかったでしょう。これは選手の不手際ではなく主催者側の都合です。どうにかよい善後策を考えることはできないのでしょうか。ATPの決定はあまりに一方的かつ横暴ではないでしょうか。錦織をわざわざ香港でのイベントに出演させてアジア市場にアピールしているというこの段階でアジア市場に喧嘩を売るという点も、あまり良い戦略とは思えません。  イストミンら中央アジアの4選手は個人戦からの撤退を表明し、団体戦のみでアジア大会を終えました。しかし台湾全土の期待を背負っているルーはそう簡単に引き下がれません。FACEBOOKで事情説明と自らの意思を表明するとともに、両大会に参戦できるよう期限ぎりぎりまで各方面と交渉を続けています。もし最後まで主張が認められない場合は期限直前で棄権し、北京に参戦するとのことです。  なんとかよい結論が出ることを祈っています。 【追記】ルーは準決勝まで進出したアジア大会を最後まで戦うことを決め、北京のドロー表から名前が消えました。今後の処分はアジア大会終了後、ATPとルー陣営の間で話し合われ、処分の内容含めて検討された後に正式に発表されます。