お久しぶりです。全米決勝は書こう、書こう、と思っていた記事があるのですが、一旦おいて、今日はこのテーマについて書こうと思います。 アジア3連戦、錦織の目標は? 海外ではAsian Swing ともいわれるこの3週間。錦織は以下の3つにフル参戦します。 【第1週】マレーシア(ATP250) 【第2週】東京(ATP500) 【第3週】上海(マスターズ1000) 250や500、1000というのは優勝ポイントを表していて、それぞれのポイントとしては、 【ATP250】 優勝:250 準優勝:150 ベスト4:90 ベスト8:45 (以下省略) 【ATP500】 優勝:500 準優勝:300 ベスト4:180 ベスト8:90 ベスト16:45(以下省略) 【マスターズ1000】 優勝:1000 準優勝:600 ベスト4:360 ベスト8:180 ベスト16:90 ベスト32:45 (以下省略) といったところになっております。 そして、テニスのポイントは、基本的に、 ①グランドスラム、マスターズ1000、ツアーファイナルズ、の3つは強制的にポイントが加算。 ②それ以外のATP500や250は、ポイントの大きい順に年間6大会まで加算。 という原則があります。 そして、錦織の今年のATP250、500での成績は以下のようになってます。詳しくはこちらをみてください 【今年今までのベスト6】 500、250、90、90、90、80 【今年カウントされない大会】 20 なので、例えば今後錦織が今週開催されているマレーシアで優勝して250ポイントを1大会で取ったとすると、 250-80=170 が加算される訳です。 そう考えると、今後は「ATP250や500で90ポイントを取っても点数は増えない」ということになります。 以上を踏まえた上で、アジア3大会の目標を、達成したい順に勝手に設定すると以下のようになります。 【錦織のアジアシーズンの目標】 ①大きな怪我をしないこと。 ②「実質加算ポイント150点以上」を1大会で行うこと。 ③「実質加算ポイント150点以上」を2大会で行う、もしくは「実質加算ポイント300点以上」を1大会で行うこと。 順に解説していきましょう。 ①大きな怪我をしないこと 現在、怪我のリスクはかなり高まっている状態でしょう。その理由としては、 A 錦織は、基本2週試合をしたら1週は休むリズムで試合を組んでいるが、今回は3週連続であること。 B グランドスラム7連戦の疲れはやはり半端ではないこと。 C 全米準優勝により、日本のみならず海外のメディアからもひっぱりだこで、イベントなども増えていること。 D 楽天オープンに内山とくんでダブルスも出場すること(デ杯強化のためだと思われる) E そもそも、ツアー終盤であるこの時期はトップ選手が怪我をしやすい時期であること。 F 最終戦出場をかけた争いが過去最高にハイレベルかつ熾烈であり、そのため無理もしがちであること。 など、あげると怪我の潜在的要素はかなり多いことがわかると思います。 例えば、マレーシアで軽い怪我をして東京では初戦敗退、しかし上海には間に合い上海でベスト8、などはこれだけ潜在的に怪我のリスクがあることを考えれば、「大きな怪我でないため及第点である」といえると思います。 錦織は怪我とうまく付き合わなければいけません。そして、今年はその付き合い方が比較的うまくいった時期でもあります。(もちろん、全米前での大事な時期での手術、など良くない面もありましたが。) チーム錦織の怪我との付き合い方が問われる3連戦となるでしょう。 ②「実質加算ポイント150点以上」を1大会で行うこと。 これは、実際の大会で置き換えると、(今後置き換わっていくポイントは80が1つに90が3つですが、便宜的に90とします。) マレーシア→優勝で250-90=160 東京→準優勝で300-90=210 上海→ベスト8で180 といったところです。達成度の優しさとしては、ドローにもよりますが、 マレーシア優勝≧上海ベスト8=東京準優勝 といったところでしょうか。 上海は既に第8シードを確保しているのでベスト8は楽かと思われるかもしれませんが、上海の対抗シードが、下位シードとはいえ、チリッチ、ディミトロフ、マレー、ツォンガ、となる見込みなので誰がきても簡単にはいかないでしょう。 東京も錦織は第4シード見込みですが、決勝進出のためには、順当にいけば第1シードのワウリンカもしくは第2シードのフェレールを倒さなければなりません。 そう考えると、マレーシア優勝のほうが、他より若干楽かもしれません。だとしても、順当にいけば決勝で今年全仏ベスト4の実績を持つグルビスと対戦することになり、決して楽とはいえないでしょう。 しかしながら、僕は「錦織の本来の力が出し切れれば3つの大会のうち1 つの目標を達成することは十分可能である」と考えます。 なぜなら、「もう勝てない相手もいないと思うので。」 ③「実質加算ポイント150点以上」を2大会で行う、もしくは「実質加算ポイント300点以上」を1大会で行うこと。 これに関しては、かなり欲張った目標です。個人的には、①②が達成されれば、十分満足ですが、全米準優勝者としては、一般的にこれくらいが期待されるのでしょうか。 ②と同じく実際の1大会で置き換えると、 東京→優勝で500-90=410 上海→ベスト4で360 といったところでしょう。難易度は同程度でしょうか。 もちろん、複数大会でこれらのポイントを達成度してもよいです。例えば、 マレーシア準優勝150-90=60 東京準優勝300-90=210 上海ベスト16 90 計360 のように。ただ、錦織のイメージとして、準優勝などを重ねていくというよりは、調子がいいときに爆発して優勝するイメージがあるので、わかりやすくするため、②③のようなタイトル分類にしました。 さてさて、実際はどうなるでしょうか。早速錦織はマレーシアでの初戦を快勝し、ベスト16に駒をすすめています。(上位4シードは1回線免除)。 何があっても、怪我での長期離脱だけはないように願って。なんとか①②を達成してくれればと思います。 そして、なんとか最終戦に出場してほしいな、と思っております。 最後に、全米の錦織ジョコビッチ戦のスコアも過去記事の予想が近くあたったので、調子に乗って3大会の予想を、贔屓目なしに冷静にしてみたいと思います。 ①マレーシア→優勝 250-80=170ポイント ②東京→ベスト4 180-90=90ポイント ③上海→ベスト16 90ポイント 計350ポイントです。どうでしょう。東京ベスト8くらいにしようかとも思いましたが、そこは期待もこめて。