皆が憧れるスター選手、ブレーク
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アメリカを代表する元プロテニス選手、ジェームズ・ブレークをご存知でしょうか。2013年の引退までに、ツアー通算17勝を挙げ、自己最高世界ランクは4位。
また、アメリカの超名門大学であるハーバード大学の出身(2年時に中退してプロ転向)で、一時期男性モデルの経験もあるほど整った顔立ち。
頭が良くて、イケメンで、テニスもめちゃくちゃ強い…。実績だけを見ると、ブレークには華々しいイメージを抱きます。
しかしブレークのテニス人生は、苦難の連続。それはとても壮絶なものでした。
故障に悩まされたテニス人生
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5歳でテニスを始めたブレークですが、13歳の時に重度の脊柱側弯症を発症。テニスを断念せざるをえない時期がありました。
その後、病を乗り越えたブレークは、めきめきと頭角を表し、1999年に念願のプロデビューを果たします。
しかしツアー優勝も経験し、順調にトップ選手への階段を上りつつあった2004年、ブレークは練習中に脊椎骨を破砕する大怪我を追って、戦線離脱。顔の左半分が麻痺して、視覚と聴覚にも不調をきたしたこともあったそうです。
見事復活を果たしたブレイクは、ついに世界ランクもTOP5入りを果たしますが、2009年に足の指を骨折、2010年には右肩と右膝を痛め、またも満足に戦えない状況となってしまいました。
再度、復活を目指して奮闘しますが、全盛期のような結果を残すことができず、2013年の全米オープンを最後に、33歳で現役を引退しました。
ブレーク最後の試合は意地の大熱戦に
ブレークの最後の試合となった、2013年全米オープン男子シングルス1回戦。相手は211cmの長身プレーヤー、イヴォ・カルロビッチでした。
第1、第2セットをブレークが先取するものの、そこからカルロビッチの高速サーブが冴え、2セットオールまで持ち込まれます。
そして最終セットも2-4とリードされたブレークですが、ここで全盛期を彷彿とさせる、強力なパッシングショットを放ちます!!
この日一番のスーパーショットに、地元アメリカの観客も大興奮!!
さらに持ち前のガッツで、タイブレークにまで持ちこみ、迫熱したラリーを続けますが…。
最後はカルロビッチに押し切られ、7-6(2), 6-3, 4-6, 6(2)-7, 6(2)-7の大接戦の末に敗退。興奮の熱気漂うスタジアムで、ブレークは現役生活最後の試合を終えました。
ブレークは試合後に、涙をこらえながら感謝の言葉を述べています。
“It’s hitting me now that I’m never going to have this again in my life, and I need to appreciate every single one of you for being here. (私の人生で二度と無いくらい感銘をうけています。ここにいるすべての人に感謝します。)”
ブレークの引退試合の動画はこちら。
Original: ESPN
何度も苦難に直面しながらも、不屈の闘志で乗り越えてきたジェームズ・ブレーク。彼の残した熱い魂と、テニス王国アメリカを支えた偉大な功績は、今後も消えることなく残り続けるでしょう。