皆が憧れるスター選手、ブレーク

20140918_blake_k1 photo:flickr

アメリカを代表する元プロテニス選手、ジェームズ・ブレークをご存知でしょうか。2013年の引退までに、ツアー通算17勝を挙げ、自己最高世界ランクは4位。

また、アメリカの超名門大学であるハーバード大学の出身(2年時に中退してプロ転向)で、一時期男性モデルの経験もあるほど整った顔立ち。

頭が良くて、イケメンで、テニスもめちゃくちゃ強い…。実績だけを見ると、ブレークには華々しいイメージを抱きます。

しかしブレークのテニス人生は、苦難の連続。それはとても壮絶なものでした。

故障に悩まされたテニス人生

20140918_blake_k2 photo:flickr

5歳でテニスを始めたブレークですが、13歳の時に重度の脊柱側弯症を発症。テニスを断念せざるをえない時期がありました。

その後、病を乗り越えたブレークは、めきめきと頭角を表し、1999年に念願のプロデビューを果たします。

しかしツアー優勝も経験し、順調にトップ選手への階段を上りつつあった2004年、ブレークは練習中に脊椎骨を破砕する大怪我を追って、戦線離脱。顔の左半分が麻痺して、視覚と聴覚にも不調をきたしたこともあったそうです。

見事復活を果たしたブレイクは、ついに世界ランクもTOP5入りを果たしますが、2009年に足の指を骨折、2010年には右肩と右膝を痛め、またも満足に戦えない状況となってしまいました。

再度、復活を目指して奮闘しますが、全盛期のような結果を残すことができず、2013年の全米オープンを最後に、33歳で現役を引退しました。

ブレーク最後の試合は意地の大熱戦に

20140918_blake_k3
ブレークの最後の試合となった、2013年全米オープン男子シングルス1回戦。相手は211cmの長身プレーヤー、イヴォ・カルロビッチでした。

第1、第2セットをブレークが先取するものの、そこからカルロビッチの高速サーブが冴え、2セットオールまで持ち込まれます。

そして最終セットも2-4とリードされたブレークですが、ここで全盛期を彷彿とさせる、強力なパッシングショットを放ちます!!

20140917_james_a3

この日一番のスーパーショットに、地元アメリカの観客も大興奮!!

20140917_james_a2

さらに持ち前のガッツで、タイブレークにまで持ちこみ、迫熱したラリーを続けますが…。

最後はカルロビッチに押し切られ、7-6(2), 6-3, 4-6, 6(2)-7, 6(2)-7の大接戦の末に敗退。興奮の熱気漂うスタジアムで、ブレークは現役生活最後の試合を終えました。

ブレークは試合後に、涙をこらえながら感謝の言葉を述べています。

“It’s hitting me now that I’m never going to have this again in my life, and I need to appreciate every single one of you for being here. (私の人生で二度と無いくらい感銘をうけています。ここにいるすべての人に感謝します。)”

20140917_james_a1

ブレークの引退試合の動画はこちら。


Original: ESPN

何度も苦難に直面しながらも、不屈の闘志で乗り越えてきたジェームズ・ブレーク。彼の残した熱い魂と、テニス王国アメリカを支えた偉大な功績は、今後も消えることなく残り続けるでしょう。