たまには世界ランクというものも見て行きたいと思います。今週発表された世界ランクを以下に掲載します。月曜日に一旦発表された時はまだ行われてなかった決勝戦のポイントが反映された状態で現在は更新されています。  錦織は自己最高位更新の8位!そしてチリッチも自己最高タイの9位に戻ってきました。一方上がる者がいれば落ちる者もいます。マレーが11位、2008年6月23日以来のトップ10陥落となってしまいました。  また全米で躍進した若手陣はアグートが15位、ティエムが36位、キリオスが53位となり、それぞれキャリアハイを更新しています。またゴフィンがキャリアハイまであとわずかに迫る46位と復活してきました。彼ら若い力がさらに上に上がってくるようだと「ポスト4強」を巡る争いはより面白くなってくるでしょう。  そしてデルポトロは14位でツアーに復帰します。上海準優勝の600P、楽天オープン優勝の500P、バーゼル優勝の500Pなどなど現在は昨年の全米以降分だけで1980Pも保持している状態です。ギリギリ間に合ったとも言えますがこの好成績を今年も維持するのは不可能であり、ランキングはある程度落ちることが予想されます。 【9/11朝追記】デルポトロが復帰を延期することを自身のフェイスブックで発表しました…非常に残念です。クアラルンプール、楽天、上海を欠場します。この欠場により1100Pを失うデルポトロのランキングはアジアシーズン後、30位近辺まで落ちる見込みとなりました。  一方錦織ファンにとってはこちらのほうが気になる「ロンドンへの道」 RACE TO LONDONを見てみましょう。この中から原則として上位8人がツアー最終戦の出場権を獲得します。  こちらではフェデラーがナダルを逆転しています。こうして見ると全米で打ち破ったとはいえ、まだ上には偉大な3人がいるという現実を改めて認識させられます。とはいえここ数年では一番5位以下にポイントが分散された年ではないでしょうか。最終戦出場に必要なポイントはかなり多くなることが予想されます。  この中で最終戦出場が確定しているのは現在3人、現時点で9位以下に抜かれないことが確定している上位3強です。そして彼らに加えてバブリンカとチリッチも出場が濃厚です。彼らはグランドスラマーなので、例え順位が落ちた場合でも優先的に出場権を獲得できるからです。またバブリンカは自力での出場決定もほぼ決まりつつあります。これで5人が埋まると、枠は残り3人。この3人のうち1人を目指すべく錦織のアジアシーズンが始まります。  錦織、今後の出場予定です。 09/22 クアラルンプール【250】 09/29 楽天オープン【500】 10/05 上海【マスターズ1000】 10/27 パリ【マスターズ1000】 11/09 (ロンドン【ツアーファイナル】)  錦織は最早日本だけでなくアジアを代表する選手、クアラルンプールはIMGが主催する大会ということもあり、錦織とは縁のある大会です。なぜ250に出るのだという声もありますが、これも仕事の一つなのでしょう。錦織自身も現在は出場を予定していると話しています。そしてその後、いよいよ錦織が日本に凱旋します。今年のチケットの売上は凄い勢いです。チケットの欲しい方はお早めに。その後は上海に出場した後、3週連続出場の疲れを取るためか例年スケジュールに入っているバーゼルの出場予定はなく、休養を取ってパリに備えます。  しかしここまで書いておいてアレなのですが、あと何ポイント取れば最終戦出場できるかというのは正直読めないところがあります。レースランキングにおいて6位錦織と10位ディミトロフとの差はわずか340P。マスターズシリーズでは8強が180P、4強が360P、準優勝が600Pを獲得します。つまりたった1つの大会であっさりランキングがひっくり返る程度の差しかないのです。5人が340Pの中にひしめき合って3枠を目指す、熾烈なサバイバルレースの始まりと言ってよいでしょう。  しかも現在BIG4は現在弱体化しています。上位3人といえども安定して大会を勝ち上がれる状況ではありません。全米で脆さを見せたジョコビッチは夫人が出産を控えています。復帰するナダルは手首の負傷からの病み上がりです。フェデラーは自らの衰えとも戦わなければいけません。今年は全豪、モンテカルロ、トロント、そして全米と既に4大会で上位3人以外がビッグタイトルを獲得しています。このアジアシーズンで同じことが起こってもおかしくないわけです。1000Pなんて獲得しようものなら当然戦況はあっという間にひっくり返ります。上海を非常に得意とするマレーにも当然チャンスはありますし、それより下の選手たちも皆マスターズのタイトルを狙っていることでしょう。  つまり錦織のロンドンへの近道は、遠回りに見えますが目の前の試合を全部勝つしかないわけです(ただしクアラルンプールは除く)。特に楽天、上海は錦織も好成績を残したことのある場所です。優勝できたらいいなあ…  あと2ヶ月ほどとなってしまった今シーズンですが、最後まで錦織の戦いを見守っていきたいですね。   目指せ、ロンドン! 【追記】錦織、追加で10月20日からのバレンシア(500シリーズ)にエントリーしたようです!かなりのハードスケジュールになりますが、今好調なこの時期に1つでも多く勝ち星を積み上げたいのでしょう。ぜひ頑張ってほしいものです!