今年の全米オープンテニスは、錦織圭の活躍もあって、日本中で大きな注目を集めました。
しかし錦織だけでなく、今大会では多くの日本人選手が、大活躍を果たしました。その興奮冷めやらぬ間に、日本勢の結果を振り返ってみましょう。
国枝、上地が単複アベック優勝
男子車いすテニスの部で、世界ランク1位の国枝慎吾がシングルス、ダブルス共に優勝しました。
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また、女子車いすテニスの部で、同じく世界ランク1位の上地結衣もシングルス、ダブルスを制覇。
四大大会で単複アベック優勝という、前人未到の快挙を成し遂げました。
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錦織がアジア人初の準優勝
男子シングルスで錦織圭が、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチや、今季の全豪オープン覇者のスタニスラス・ワウリンカなど、並みいる優勝候補たちを破って見事、準優勝を果たしました。
四大大会の男子シングルス準優勝は、アジア人選手として史上初の快挙です。
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伊達がダブルスで22年ぶりに記録更新
クルム伊達公子が、バルボラ・ザフラヴォワ・ストリツォワと組んだ女子ダブルスで、今季の全仏オープン優勝ペアの、シェ・シュウェイ/ペン・シューアイ組を破るなど快進撃を演じ、見事ベスト4進出を果たしました。
現在43歳の伊達ですが、長いキャリアの中でも四大大会のダブルスは、1992年の全豪オープンでのベスト8が最高。今回のベスト4進出により、なんと22年ぶりに自己最高成績を更新しました。
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伊藤が本戦初勝利
男子シングルスで伊藤竜馬が、予選を勝ち上がって本戦に出場、1回戦で格上のスティーブ・ジョンソンと対戦しました。
拮抗した試合展開の中で、ジョンソンが痙攣により途中棄権。思わぬ形で、全米オープン初勝利を挙げました。
また、2回戦では第19シードのフェリシアーノ・ロペスから1セットを奪い、敗れはしたものの、世界のトップ選手を相手に渡り合える力を証明しました。
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18歳西岡、21歳ダニエルが本戦初出場
18歳の西岡良仁が予選を勝ち上がって、本戦に初出場しました。しかし本戦前に体調を壊してしまい、パオロ・ロレンジとの1回戦では、3セット目で無念の途中棄権。
それでも四大大会の予選突破という、確かな手応えを掴んだ西岡は、大会後に出場したプサン・チャレンジャーでノーシードから勝ち上がり、見事チャレンジャー大会初優勝を果たしました。
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また、西岡と同じく将来を期待される21歳のダニエル太郎も、予選を突破して見事、四大大会の本戦初出場を果たしました。
1回戦では、第5シードのミロシュ・ラオニッチに敗れるも、第3セットはタイブレークにもちこむなど健闘。
試合後は、トップ10の選手を相手に「意外と差を感じなかった」とコメントするなど、西岡同様、世界で戦う自信を深めました。
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日本テニス界の歴史的転換点となるか
過去を振り返っても、ここまで多くの日本人選手が活躍した四大大会はありません。
しかし近年は、男子車いすテニスで国枝、男子テニスで錦織、女子テニスで奈良くるみなど、多くの選手が世界のトップで戦い始めていました。そして彼らの活躍に刺激を受けた、他の選手たちも着実に階段を上っていました。
今大会での日本人選手たちの躍進も、決して不思議なことではないように思えます。
確実に世界に近づいている日本人選手たちの、今後の更なる活躍に、期待が高まります。