プロテニス史上最高の選手と謳われる、ロジャー・フェデラーが、日本テニス界の低迷について質問された際、「日本にはクニエダがいるじゃないか」と答えたという話をご存知でしょうか。

フェデラーの言う「クニエダ」とはもちろん、日本が誇る世界最高の車いすテニスプレーヤー、国枝慎吾のこと。

国枝は、7日に行われた全米オープンテニス車いすの部の男子シングルス決勝で、グスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)にストレートで勝利して優勝、6日に優勝した男子ダブルスと合わせて、見事2冠を達成しました。

また、今大会は車いすの部女子でも、上地結衣が単複を制覇。四大大会で、単複男女アベック優勝という快挙を成し遂げました。

国枝は今季全ての四大大会を制覇

20140908_kunieda_k1 photo:flickr

世界ランク1位の国枝は今季、全豪オープンと全米オープンで単複優勝、全仏オープンはダブルスで敗れるもシングルスで優勝、ウィンブルドンはダブルスのみの実施ですが、これも優勝して、今季全ての四大大会を制覇。

四大大会単複計6冠という、驚異的な記録を残しました。

上地はダブルスで年間グランドスラムを達成

20140908_kamiji_k1 photo:ITF Tennis.com

長きに渡って、世界の車いすテニス界をリードしてきた国枝ですが、国枝に続いて上地もまた、その圧倒的な実力を世界に示しました。

まずは今季最初の四大大会となる全豪オープンで、シングルスは敗れるもダブルスで優勝。自身初の四大大会タイトルを獲得しました。

続く全仏オープンでは単複で優勝、ダブルスのみ実施のウィンブルドンでも優勝し、迎えた全米オープンも単複で優勝。ダブルスは初優勝から負け無しで四大大会4連勝、年間グランドスラムを達成しました。

国枝と同じく四大大会6冠、もちろん世界ランクも念願の1位となり、上地にとって大きな飛躍の年となりました。

世界の頂点に立つ日本の車いすテニス

冒頭のフェデラーのコメントにもあるように、国枝は世界中のアスリートから尊敬される偉大な選手であり、それに続かんとする上地。日本の車いすテニスは、今や世界の頂点に立っています。

全米オープンでは、錦織圭の男子シングルス決勝も控えており、四大大会のタイトルを狙って、多くの日本人選手が世界のトップで戦うという、日本のテニス史に残る、歴史的な瞬間を迎えています。