錦織圭選手が、日本人初のグランドスラム決勝進出を果たしました!
すみません・・・興奮を超えて、圭の凄さと圭への感謝の思いしかでてきません・・・
 
しかし、冷静に準決勝の試合分析をしてみます。
 
◆試合前から感無量!
 
僕は圭がセンターコートに入ってくる前から興奮と喜びを感じていた。
試合直前緊張した中、コート上に入る前にテレビのインタビューが始まる。落ち着いている圭。そして英語で話す圭。
国際的なスポーツであるテニスならではの良さである。どの国の選手でもテニスプレイヤーは英語で話ができる。
まさにインターナショナル。僕は、圭の頑張る姿を思い出した。11歳から参加したトップジュニアキャンプ。夜のミーティングでは、練習コートの予約、練習相手を探す、ホテルの受付、海外の空港でのパスポートコントロールなどなど・・・
僕が世界のテニス舞台で経験した状況を想定し、英語で話す練習をしていた。相当な緊張感の中、英語のしゃべれない圭は泣きながらも、一所懸命、体をつかいながら表現している姿があった。だからこそ、かつての女子トップ選手フェルナンデスさん(インタビューアー)に堂々と話す圭にまずは感無量。
 
◆喜びは束の間・・・
 
気温 30度を越える選手にとってタフなコンディション。
持久戦を目指す世界ナンバーワンのジョコビッチにとっては最高の状態だった。
 
◆最初から圭ワールド炸裂!
 
 第1セット  6-4 
今までの対戦相手で一番違うのが、ジョコビッチは守りがすごいこと。
じわじわと持久戦に持ち込み勝負をモノにしたいという王者の雰囲気を感じる出だし。

・先手をとった!

お互い最高の状態でのプレー。打ち合っている中、圭が相手を振り回しコントロール。
そしてコートの内側でプレイしていく。

・大事な時にファーストサーブが入った!
 
5-4でサービスを軸にしたポイントが3本!素晴らしい!
 
第2セット  1-6
 
・隙をみて攻めてきた!
 
世界一スライディングショットが得意なジョコビッチ。
圭の攻撃を守って守って、隙をみつけては攻めてきた!流石!
 
第3セット  7-6(7-4)

・ガッツポーズの出し合い
 
 お互いにコーチとともに戦っている。
 
・圭が試合中にコーチを見た!
 
圭は、選手の中で最もコーチ陣のいるファミリーボックスを見ない選手。
圭が13歳の時に出場した18歳以下のジュニア国際大会。僕はあえてワイルドカードを与え、圭に国際試合の経験を積ませた。その時、圭は身長180センチの海外選手に対し勝ちきった。その際、ジュニア合宿も並行して行っていたが、参加ジュニアを含めコートサイドで応援した。圭は一度たりとも僕らを見なかった。思いを感じながら一人で戦っていける力を持っていた。プロになっても同じだった。
でも、その圭が…4-3サービスをキープしたとき、マイケルを見ながらガッツポーズ。
こんな光景今まではなかった。
17歳で全仏オープン優勝したマイケル・チャンはガッツポーズの申し子だった。マイケル魂が圭の表現力をアップさせた、まさに一緒に戦っていたのだ。
そして次のジョコビッチのサービスゲームをブレークする!
 
一方・・・
 ・ジョコビッチはボリス・ベッカーへむけ吠えるガッツポーズ!
圭がマイケルなら、ジョコビッチの特別コーチは17歳でウインブルドンチャンピョンになったボリス・ベッカー。ブレークバックし、サービスをキープした瞬間、吠えた吠えた、ベッカーを見ながら吠えた!
 
・1-0からの2ポイント。圭の積極的なリターンが炸裂した!
ジョコビッチは、圭のリターンを警戒し、ダブルフォルトを含め守りに入っていく…
ここでジョコビッチの勢いが完全に止まった。いや圭の攻撃力がジョコビッチの守備力を上回ったのだ!
 
第4セット  6-3
・踏ん張った踏ん張った、ここ大きかった!
1-0、圭のサービス0-40
いきなりブレークしたあと、圭のサービス0-40。
プレッシャーを感じるなか、攻撃し続けた!ここからジョコビッチが・・・
 
・ジョコビッチ、王者テニスなくなった・・・
こんなジョコビッチをみたことがない。
完全に守った、弱気になった、しつこさがなくなった。
 
何故・・・
 
◆全ては圭の今まで誰もしたことがない超攻撃型想像力テニス!
とにかくジョコビッチは圭のテニスを警戒していた。何をしてくるかわからない。
ほかの選手のように様子をみながらプレイする状況では、圭のベースライン上からどんどんコートの内側に攻めてくるテニスに対抗できない。
最後のセットは、完全にジョコビッチのもっているテニスの駒がなくなった。そして王者の貫禄はなく、むしろ守りに入ってしまった。それだけ圭のすべてが凄かった!
 
 
今日の圭は、今大会のベストテニス!
そしてメンタルが凄かった!
今の圭のメンタルは世界一強い!
 
これまで僕も、そして世界のテニス評論家も、圭のメンタル、そして体力に対し不安感があった。
しかし今はない・・・
圭、頑張った!変わった!そして圭の本来持っている力がでてきた!
 
圭は、世界一のメンタルの持ち主だ!
 
皆さんに、この試合の奥深さをもっとしっかりと伝えたいのですが・・・
 
今日から僕を育ててくれたボブ・ブレッド氏を招いてのトップジュニアキャンプがスタート。ボブは、ボリス・ベッカー、イバニセビッチ(チリッチもそう)など、世界ナンバーワンを育てたコーチ。
圭が一番最初に世界を感じたのも11歳の時に参加したボブの合宿。
 
ボブはこの快挙を心の底から喜んでいます!
 
圭の快挙はジュニアにとって最高のエネルギー源。最高の合宿になりそうです。
 
ありがとう圭、おめでとう圭、そして、あと1つだ!圭っ!
 
涙が止まらない・・・修造

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